妻には子育てを理由に仕事を諦めてほしくない――。そんな思いから、東京の会社員男性(38)は、2人の子供が生まれた時にいずれも半年以上の育休を取得。復帰後も時短勤務を選択しました。しかし、同僚と同じ仕事量をこなせない罪悪感が募り、昨年春に退職。個人事業を始め、自分のペースで働くことを選びました。育休後の働き方の難しさについて専門家は「多くの女性が経験してきた道。社内で改善を試みて、悩みが解消しないなら環境を変えるのも選択肢の一つです」と話します。(withnews編集部・丹治翔) 【マンガ】「パパはッ、圧倒的に役に立たない」赤ちゃん目線で描く「イクメン」 その真意は…ラストに共感
妻も自立した人生を
営業職だった男性は5年前、同じ会社だった3歳年下の女性と結婚。4年前に長男が誕生しました。 妻は、結婚の前に転職。仕事が好きで、新しい挑戦にやりがいを持っている姿を、男性は応援していました。仕事人間の父親、専業主婦の母親のもとで育ったことも大きいと言います。 「子供の前ではあれこれ不満を言いながらも、父親には依存せざるを得ない。そんな母親を見てきました。パートナーとなる人には、自立した人生を送ってほしいという思いがありました」
理解がない親と距離
妊娠が分かった時点で、子育ては夫婦で分担することを決めたという男性。長男の誕生から保育園に入れるようになるまでの10カ月間、育休を取りました。 半年以上の男性育休は、知る限り社内でまだ例がなく、上司や同僚も最初はとまどっていましたが、快く送り出してくれたそうです。一方、「モヤモヤの種」は親の理解のなさでした。 「『育休なんて取って、会社に居場所がなくなるんじゃないか』と私の父親から、妻の父親からも繰り返し言われました。『男はやっぱり仕事』とことあるごとに言う親族も。私を心配しているとは分かっているのですが、距離は広がっていきました」 育休中は料理や掃除、おむつ替えに夜泣きの対応など、「授乳以外のことは積極的に引き受けました」。妻は「体力的につらいときもあったので、夫の協力はありがたかったです」と振り返ります。 初めての子育ては思い通りにならないことの連続で大変な反面、とても楽しいものだったと言う男性。「仕事と自分のことだけをしていた日々が懐かしく感じられましたが、赤ちゃんの毎日の変化をすぐ横で感じることができ、充実していました」 育休復帰後も夫婦で偏りなく育児を分担しようと考え、男性は10時に出社し、17時に帰宅する育児時短勤務を選択。「この制度がなければ子育てとの両立は成り立たなかった」と振り返りますが、職場での立ち位置も難しくなり、モヤモヤの中心は仕事に移っていきました。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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