安倍首相が演説で“台湾”に言及する中、首相“実弟”の岸信夫氏は今月、中国・台湾を訪問
安倍首相は20日の国会での施政方針演説で、東京五輪・パラリンピックに参加する国と地域のホストタウンに触れる中で、「岩手県野田村は台湾」と述べた。首相が少し間をとった上で「台湾」という言葉を発した次の瞬間、本会議場は「おおー」という声と大きな拍手に包まれた。
実は施政方針演説で「台湾」について言及されたのは2006年の小泉元首相の演説以来で、実に14年ぶりのことだ。台湾に関しては中国が神経をとがらせている状況での今回の言及には、安倍首相の台湾を重視したいという思いが伺える。そうした中で、安倍首相の“実弟”である岸信夫衆院議員が今月、その中国と台湾を相次いで訪問したことがわかった。
岸信夫氏は、自身にとっても兄の安倍首相にとっても祖父である故・岸信介元首相の姓を名乗る、党内最大派閥・細田派のプリンスの一人だ。温和な性格でも知られ外務副大臣などを歴任、1月1日には首相らと親族会を開催するなど兄との連携も密にしている。その岸氏が中国と台湾を連続訪問するという異例の行動をとった狙いは何なのか。本人に2020年の対中戦略と合わせて聞いた。
1月8日~10日 議会交流で中国訪問 中国に国際ルール順守を訴える
岸氏は国会の代表団として第11回日中議会交流委員会(日本側・高木毅団長)に出席するため、1月8日~10日まで中国・北京を訪問した。日中両国の議会の代表団が交流する定例の会合であり、岸氏も衆院の議院運営委員会の理事の1人としてメンバーに入ったものだ。
議会交流の一環として“地域及び国際社会の意見交換”でスピーカーに立った岸氏は中国に対し「『自由で開かれている』ということは国際法のルールにより秩序が保たれていること、力を背景にした一方的な現状変更へのチャレンジを認めることはできない」と強調した。さらに岸氏は「南シナ海問題は国際社会共通の関心事項だ。係争中の地形の非軍事化や国連海洋法条約に合った南シナ海に関する行動規範の策定や透明性のあるプロセスに期待する」と述べて、南シナ海・東シナ海で中国が進める海洋進出について強くけん制した。また会議の中では“香港での一国二制度の問題”についても触れたという。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース