凄惨(せいさん)な事件から一夜明けた29日、川崎市多摩区の現場には、心を痛めた市民らによる献花が後を絶たなかった。数百本に及ぶ花束や菓子、ジュース…。訪れた人たちは悲しみと憤りを胸に、静かに祈りをささげた。
バスを待つ子どもたちは希望を与える存在だった。同区の美容師(25)は8カ月の娘を抱いて来訪。「いつも楽しそうな会話を聞いて、この子も大きくなったらああやって遊ぶんだろうなと想像していた。ほのぼのとした空気が流れていた」。目元をぬぐい、不安を吐露する。「この子を安全に育てていける場所だと思っていたが、何を信じたらいいのか、分からなくなった」
子を持つ親たちの涙は尽きない。「これから楽しいことがたくさんあったはず。子どもたちの心のケアが心配」とは、かつて私立カリタス小学校に娘を通わせていたという同区の女性(59)。同じく、同校出身の娘がいる男性(55)は「容疑者には生きて責任を取ってほしかった。不条理だし、なぜこれだけ凶悪な事件が起きたのか。徹底的に調べ、明らかにしてほしい」と話した。
一方、亡くなった外務省職員の男性(39)を知る日本ミャンマー・カルチャーセンターのマヘーマー所長は「家族でミャンマーの歌を歌うなど、私たちの国を愛してくれる人で、ミャンマー人からも尊敬されていた」と肩を落とした。
神奈川新聞社
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