【総裁選を追う 9月3日】各陣営動き加速 日本の虫歯は「定期検査」「経済格差」(産経新聞)

 自民党総裁選は3日、官房長官の菅義偉の陣営が初の選対会議を実施し、元幹事長の石破茂が選対事務所を開設、政調会長の岸田文雄が政策集を発表するなど各陣営が動きを加速した。(田中一世、大島悠亮) ■午後2時 谷垣氏、菅に「国民に安心感」  前日は帰宅が深夜になった菅だが、3日午前9時ごろ、首相官邸に入る足取りは軽かった。  午前10時、菅を支持する5派閥の幹部らが官邸の隣にあるホテルに集まり、選挙戦の態勢を協議した。駆け付けた菅は拍手で迎えられ、「全身全霊をかけて取り組む」と誓った。  11時29分に始まった官房長官としての定例記者会見では一転、総裁選の争点に関する質問を「ここは政府の会見なのでコメントは差し控えたい」とかわした。  午後2時、前総裁の谷垣禎一を都内の自宅に10分ほど訪ねた。谷垣は谷垣グループ(有隣会)特別顧問である。同席した衆院議員の牧原秀樹によると、新型コロナウイルス対応に触れて菅にこう言葉をかけた。  「陣頭指揮を執ってきた菅氏の決断は国民に安心感を与える。がんばってください」  菅は「コロナ対策が進むように力を尽くしていきたい」と応じたという。  菅支持の牧原は、菅と谷垣が並んで映る写真を公開した。ただ、谷垣グループは総裁選で自主投票を決めており、もともと宏池会(現岸田派)の谷垣は岸田に近い。面会に同席した他の2人(元五輪相の遠藤利明と元防衛相の中谷元)はそれぞれ岸田と石破に近く、同グループは混とんとしている。  ■午後3時半 石破氏事務所開き「気分晴れやか」  石破は午前10時、30年以上続けている週に1回の歯の定期検診のため、国会内の歯科診療所を訪れた。政治生命をかけた勝負の最中もペースを崩さない。記者団に「日本の虫歯はどこにあるのか」と質問された石破は思わず笑いだした後、こう答えた。  「定期的にきちんと見ていかないと。放っておくと大変なことになりますよ、ということですよね」  午後1時からは衆院議員会館の党所属議員の事務所を回り、「宜しくお願い致します」と直筆のあいさつ文を書き添えた名刺を渡して支持を呼びかけた。過去の総裁選出馬の際はあいさつ文がなく「気配りがない」と指摘されていた。  3時半、国会近くのホテルで選挙対策本部の事務所開きを終えると「さわやか、晴れやかな気持ち」。  圧倒的な劣勢だが石破は明るく、陣営にも悲壮感はない。ある側近議員は「うちはギスギスするにも、人数が少ないから」と笑い、「菅政権」誕生に向けて主導権争いがみえる菅陣営をあてこすった。  ■午前10時 岸田氏会見「妻に強くない」  岸田は午前10時、政策集発表の記者会見に臨み、中間層への経済支援やデジタル化を推進する新組織の発足など独自施策を打ち出した。首相の安倍晋三(党総裁)からの禅譲がなくなり、気持ちを切り替えて「岸田カラー」を打ち出したようだ。  「私は妻には強い立場にはない」。記者会見では、自身は亭主関白ではないと否定する場面もあった。  その理由は2日未明のツイッター。手料理を作ってくれた妻への感謝の言葉を添えて夕食時の写真を投稿したところ、自身が席に座り、妻が立っていたことから「対等ではない」などと批判的なコメントがいくつも寄せられた。  知名度に欠ける自身の人柄や私生活をアピールするつもりが、思わぬ批判を受ける結果に。記者会見では「あれから食事が始まるので、必ず家族は同じ食卓につく」と説明した。  午後3時には東京都千代田区の日本歯科大付属病院を視察した。石破同様に「日本の虫歯」を記者団に問われると真顔で「課題ということであれば経済の格差問題、新たな成長エンジン、社会保障の持続可能性…」と並べ立てた。  虫歯談議は菅にも波及した。午後4時の官房長官としての記者会見で質問されたが、「私の立場でコメントするような問題ではない」と一蹴。いつものスタンスを崩さなかった。(敬称略)

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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