気象庁が4日、熊本県と鹿児島県に大雨特別警報を発表しました。数十年に一度の大雨で、既に災害が発生している可能性がきわめて高いとして、命を守るための行動を呼びかけています。被害の状況などをタイムラインでお伝えします。
10:00
熊本で13人の安否不明
熊本県に県内市町村や消防から入った情報によると、4日午前10時現在、13人の安否について確認中という。
芦北町の田川地区では土砂崩れによる民家流出で10人くらいが行方不明になっているという。同町の女島地区では2人が行方不明。同町の瀧ノ上地区では住家8棟が流されたと見られるという。津奈木町の福浜地区では土砂崩れで1人の安否が不明という。
浸水による住家の孤立も相次いでいる。芦北町伏木地区では冠水により複数の住宅で住民が避難できない状態という。同町の吉尾地区では屋根の上で救助を待っている人がいるという。八代市の旧坂本村では7人が孤立。球磨村の神瀬地区でも住宅の孤立状態が発生しているという。球磨村の糸原地区でも民家が流出したという。相良村では20地区以上で孤立状態となっている。(伊藤秀樹)
熊本・鹿児島の8市7町5村に災害救助法を適用
熊本県と鹿児島県は4日、前日から降り続く大雨による災害で、両県の計8市7町5村に災害救助法の適用を決めた。
適用されたのは、熊本県では八代市、人吉市、水俣市、上天草市、天草市、芦北町、津奈木町、錦町、多良木町、湯前町、あさぎり町水上村、相良村、五木村、山江村、球磨村。鹿児島県は、阿久根市、出水市、伊佐市、長島町。
11:20から関係閣僚会議
政府は4日午前11時20分から、首相官邸で安倍晋三首相が出席して大雨に関する関係閣僚会議を開くことを決めた。3日から熊本県を中心に九州南部で大雨が続き、被害が出ていることを受けた対応。菅義偉官房長官らが関係閣僚が出席する予定だ。
8:48
町役場に「1人の遺体発見」との連絡
熊本県津奈木町によると、4日午前8時半ごろ、同町平国で起きた土砂崩れで夫婦の男女2人が不明となっている現場から「1人の遺体が見つかった」との連絡が町役場に入った。性別などは不明という。(奥正光)
8:45
熊本県多良木町や錦町で浸水被害
熊本県多良木町によると、4日午前8時40分現在、球磨川の支流などが氾濫(はんらん)し、15軒の床上・床下浸水、12カ所の土砂崩れが確認され、土砂崩れで道路が寸断されるなどして10世帯22人が孤立している。人的被害は確認されていない。午前8時現在、3カ所の避難所に41世帯が避難している。
熊本県錦町によると、球磨川や川辺川の川沿いで床上・床下浸水が多数確認されている。(井岡諒)
球磨川上流のダムで午前9時半から緊急放流
熊本県によると、熊本県水上村の市房ダムの水位が上昇しているとして、4日午前9時半から緊急放流(異常洪水時防災操作)が実施される見通し。
下流の1級河川・球磨川の水位が上がるとして注意を呼びかけている。
球磨川では下流の球磨村で既に氾濫(はんらん)が発生しているとして、国土交通省が警戒レベル5相当の氾濫発生情報を発表している。
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8:00
線状降水帯発生を確認
国の線状降水帯予測研究をしている防災科学技術研究所のチームによると、九州南部では梅雨前線にともなう線状降水帯が発生していることがレーダーデータなどから確認できているという。
3日午後9時半ごろから鹿児島県周辺で発生。熊本県南部には4日午前0時40分ごろから発生し、午前7時半の時点でも断続的に発生しているとみられる。
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8:00
阿久根市で4216人に避難指示
鹿児島県内では、阿久根市、出水市、伊佐市、長島町に特別警報が出され、阿久根市は午前5時25分、2011世帯4216人に避難指示を発令した。県などによると、県内各地で土砂崩れなどが起きているが、午前7時現在で人的被害は確認されていない。
県や各自治体などによると、長島町平尾では裏山の土砂崩れで住宅1棟がほぼ全壊したが、住民の高齢女性は事前に避難しており無事だった。近くで土砂が流入した住宅もあったが、人的被害はないという。
出水市と阿久根市の境界付近の県道の一部が陥没し、全面通行止めになっている。鹿児島市本城町でも県道の一部が土砂崩れで通行止めになっている。(小瀬康太郎)
8:00
八代市で床上浸水
八代広域行政事務組合消防本部(熊本県八代市)によると、八代市坂本町周辺で球磨川が氾濫(はんらん)している。4日午前8時までに寄せられた通報によると、床上浸水が坂本町で39件、日奈久地区で1件、二見地区で1件発生。坂本町では2階まで浸水した民家もあり、屋根上に避難した人もいるという。二見下大野町では民家が浸水により孤立し、救助要請が入っている。
自宅、1時間で2メートル水没[7:55]
熊本県芦北町佐敷の旅行業、佐藤圭吾さん(62)によると、自宅は4日午前5時ごろからみるみる浸水し始め、1時間ほどの間に2メートルほど水没した。2階に避難したが、停電。集落一帯が浸水しており、平屋建ての住民は屋根に逃れているという。
地区の公民館長も務めており、携帯電話で町役場などと連絡を取り合っている。「向かいの平屋の人に大声で呼びかけているが応答がない。屋根の上で意識を失っている人もいるようだが近づきようがないし、また雨が強くなってきたので被害が心配だ」と話した。(山田菜の花)
7:50
国道3号や南九州道の一部が通行止め
3日夜からの激しい雨で、熊本県内の国道3号や南九州道の一部が通行止めになった。国土交通省の熊本河川国道事務所によると、4日午前3時ごろ、国道3号の二見トンネル(八代市)と佐敷トンネル(芦北町)の少なくとも2カ所で土砂流出を確認し、約15・5キロの区間が通行止めになっている。芦北町湯浦でも冠水のため通行止めになっている。
西日本高速道路によると、南九州道の八代ジャンクションと日奈久インターチェンジ(IC)間、八代ICと人吉IC間が通行止めになっている。(渡辺七海)
7:40
球磨村で相当数の床上・床下浸水
熊本県球磨村によると、4日午前7時40分現在、球磨川沿いの渡、一勝地、神瀬の3地区で相当数の家屋の床上・床下浸水が発生している。国道219号沿いなどで複数の土砂崩れも起きている。
7:15
官邸対策室に格上げ
安倍晋三首相は4日、熊本県など九州南部などで3日から続く大雨で、国民への河川状況の情報提供などを適時的確に行うことや、浸水が想定される地区の住民の避難が確実に行われるよう、事前対策に万全を期すことなどを指示した。被害で出た場合は、政府一丸で災害応急対策に全力で取り組むことも指示した。
首相官邸の危機管理センターは4日午前4時50分、この大雨に関する官邸連絡室を設置。午前7時15分、この連絡室を対策室に格上げした。
7:10
球磨病院で浸水、床上5センチ
球磨川のそばにある球磨病院(熊本県人吉市)によると、受付や外来の診察室がある同院の1階が、午前6時50分ごろから浸水し始めたという。7時10分現在、水は床上5センチほどの高さで、徐々に水が広がっているという。入院患者は3階より高い部屋におり、大丈夫だという。
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九州新幹線、始発から運転見合わせ
JR九州は4日、九州新幹線の熊本―鹿児島中央間で、始発から運転を見合わせると発表した。在来線の鹿児島線(川内―鹿児島中央間)、日豊線(南宮崎―鹿児島間)、指宿枕崎線(五位野―枕崎間)や、肥薩線と日南線、吉都線の全線、高速バスの新八代駅前―宮崎駅間も、始発から運転を見合わせる。一部の特急の運休も決めた。
西日本鉄道も、福岡―宮崎間の高速バスを始発から運転見合わせとし、福岡―鹿児島間を終日運休とした。
6:30
球磨川沿いの集落が冠水
熊本県の人吉下球磨消防組合消防本部によると、4日午前6時半現在、球磨村の球磨川沿いの集落が冠水し、消防が救助に向かっている。
5:55
球磨川で氾濫、上流のダムで緊急放流の可能性も
九州地方整備局は4日午前5時55分、熊本県球磨村渡周辺の1級河川球磨川の右岸(北側)で氾濫(はんらん)が発生しているとして、警戒レベル5相当の氾濫発生情報を出した。支流の小川(おがわ)との合流地点で氾濫が発生しているという。
また球磨川上流の熊本県管理の市房ダム(熊本県水上村)の水位が上昇しており、今後、緊急放流(異常洪水時防災操作)の可能性があるとして、情報に注意を呼びかけている。
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5:40
津奈木町で住宅に土砂、2人と連絡とれず
熊本県津奈木町によると、4日午前5時40分ごろ、同町平国の住民から「家が土砂で流された」と通報があった。土砂に押し流された住宅が全壊している模様で、この住宅に住む80代の夫婦と連絡がとれていないという。
5:00すぎ
球磨川の堤防が一部崩れる
熊本県の上球磨消防組合消防本部によると、4日午前5時ごろ、あさぎり町の球磨川の堤防ののり面が一部崩れているとの通報があった。被害状況を確認している。
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4:50
熊本と鹿児島に大雨特別警報
気象庁は4日午前4時50分、熊本県と鹿児島県に大雨特別警報を発表した。数十年に一度の大雨で、既に災害が発生している可能性がきわめて高いとして、命を守るための行動を呼びかけている。
気象庁によると、熊本県球磨村の球磨川の下流で水位が高くなっており、一部ですでに水があふれ出しているとの情報があるという。梅雨前線が九州に停滞していることから、同日昼前まで非常に激しい雨が降り続きそうだという。
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4:00前
熊本・芦北町で土砂崩れ、女性救出
水俣芦北広域行政事務組合消防本部によると、熊本県芦北町女島で4日午前4時前、土砂崩れが発生して住宅に土砂が押し寄せた。80代の女性を救出して病院へ搬送したが、意識はあるという。県警芦北署によると、このほかにも数カ所で土砂崩れが起きたという情報がある。
同県水俣市中心部の新水俣橋では水俣川の水位が氾濫(はんらん)危険水位を超え、橋の上を走るトラックや乗用車に濁流が迫っていた。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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