9日、長崎は被爆77年の「原爆の日」を迎えます。ロシアのプーチン大統領が核兵器の使用をちらつかせるなかで営まれる平和祈念式典や関連の催しなど、祈りの日を迎える長崎の動きを詳報します。
■■■8月8日■■■
19:00
宗派超えた祈り ウクライナでも黙禱
宗教や宗派の違いを超えて平和を祈る第50回原爆殉難者慰霊祭が8日夜、長崎市松山町の爆心地公園であった。長崎県宗教者懇話会が主催し、ウクライナ正教会の司祭やイスラム教の指導者らも参列。約400人が原爆や戦争の犠牲者を追悼した。
1973年から毎年8月8日に開かれ、今回で半世紀。この日は、広島やウクライナの首都キーウ、核不拡散条約(NPT)再検討会議が開かれているニューヨークなど5都市とオンラインでつなぎ、ともに黙禱(もくとう)を捧げた。
18:00
「核兵器の怖さ伝えるのに重要」原爆資料館に各国大使ら
長崎原爆資料館には、爆心地公園での献花を終えた各国の大使や一般客らが訪れていた。
初めて長崎に来たというリトアニアのオーレリウス・ジーカス特命全権大使は隣国のロシアの動向について「平和が脅かされていて不安」と話す。戦争を知らない世代が増えるなか、「セレモニーや資料館は、戦争や核兵器の怖さを伝えるのに重要な役割を果たしている」と語った。盛岡市から家族旅行で来た男子高校生(15)は「地域全体で平和を伝えているのを感じた。核の恐怖を理解していきたい」と話した。
17:30
国連の中満事務次長が長崎市長と面談
9日の平和祈念式典に国連事務総長の代理として出席する中満泉・事務次長が、長崎市のホテルで田上富久市長と面談した。米ニューヨークで開催中の核不拡散条約(NPT)再検討会議について、どのような課題があり、どう進んでいくのか意見を交わしたという。
中満事務次長は面談後、NPT会議について「核戦争の緊張が高まっているなか、会議を行うのは非常に難しいが、77年間続いている核不使用の原則を最低限守ることが重要」と述べ、「被爆地・長崎でもメッセージを出していければ」と報道陣に述べた。
16:30
各国の駐日大使らが献花
長崎市の爆心地公園で、9日の平和祈念式に参列する各国の駐日大使らが、原爆落下中心碑の前に献花した。
パラオのピーター・アデルバイ駐日大使は献花後、「パラオは日本の統治下にあったこともあり、長崎の歴史に共感している。過去の歴史を二度と繰り返してはいけない」と話した。
また、核兵器禁止条約の交渉会議で議長国を務めたコスタリカ共和国のアレクサンダー・サラス・アラヤ駐日大使は、核兵器禁止条約について「日本だけでなく、全世界の国々が参加するのが、平和への唯一の道だ」と語った。
16:10
イラク大使「長崎の人々、私たちと同じ」
たび重なる戦禍に見舞われてきたイラク。その代表として爆心地公園に献花に訪れたアブドゥル・カリーム・カアブ特命全権大使はイラク戦争に触れ「私たちと同じように、アメリカの攻撃で犠牲になった長崎の人々に祈りを捧げられて光栄だ」と話した。
ロシアによるウクライナ侵攻や、中国と台湾の緊張関係を憂えているといい、「あらゆる国はともに並び立つことができるはず。核兵器は最も危険な必殺兵器で、人間性を踏みにじるだけでなく、地球の生命をあっという間に消してしまう。二度とそんな爆弾が投げられることがないよう、そして戦争のきっかけになるものを防ぐよう、人類が教訓とすることを願っている。私たちにはそれができると思う」と話した。
16:00
全国の小中高生250人が平和学習
長崎市の平和会館と原爆資料館では、「青少年ピースフォーラム」が開かれ、全国の小中高生ら約250人が参加した。被爆体験者の話を聞いたり、戦時下の生活を疑似体験したりした。
愛知県から参加した中学3年の伊藤圭佑さんは「昔に起きた原爆投下や戦争だけど、現代の問題、自分事として考えることができた」と話していた。
11:30
大阪の大学生「平和って何なのか考えたい」
長崎市の原爆資料館を訪れた…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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