新型コロナウイルスの感染再拡大をどう食い止めるか。12日から東京都、京都府、沖縄県に「まん延防止等重点措置」が適用されるほか、一部の地域で高齢者へのワクチンの接種が始まります。各地の表情をタイムラインでお伝えします。
菅首相「感染の波、想像超える」衆院決算行政委で答弁[0910|]
菅義偉首相は衆院決算行政監視委員会に出席し、新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、緊急事態宣言に準じた「まん延防止等重点措置」を東京都などに追加適用したことについて、「世界規模の感染の波は私たちが想像したものを超えて厳しい。感染の再拡大を防ぐためには国民の皆さんに引き続き緊張感を持って対応していただくことが極めて重要だ」と述べ、理解を求めた。
首相は「飲食店には各府県の判断により、引き続き営業短縮の協力をいただくとともに、席と席との間隔や店内の換気に関してガイドラインの順守をぜひお願いしたい」と答弁。その上で国民に対し、「4月、5月は歓迎会や研修、大型連休と行事の多い時だ。大人数の会食について控えていただくなど感染拡大の防止にご協力いただきたい」と呼びかけた。
八王子市役所で高齢者向けのコロナワクチン接種の受付開始[0905]
東京都八王子市の市役所で、高齢者向けの新型コロナウイルスのワクチン接種が始まった。1950回分が市保健所に届けられており、予約できた市民が12日から23日までに1回目の接種を受ける。
初日は市役所1階ロビーが接種会場になった。届け出などの一般市民でにぎわうため、感染拡大を防ぐ高さ約2メートルの仕切り板で隔たれている。接種に訪れた市民は受付を済ませ、順番に接種スペースに入った。問診後、肩に近い腕に注射を打たれ、待機スペースに移動して15分ほど安静に過ごした。
初日は午後5時ごろまでに250人に接種される予定だ。市内の介護老人保健施設「ゆうむ」でも12日に入居者5人に接種する。
今回、八王子市で対象となるのは今年度で65歳以上になる市民約16万人。5日にインターネットや電話による予約が始まったが、殺到し、通じない状態が続き混乱した。
品川駅港南口「人の多さ、変わった印象ない」[TL0900|]
JR品川駅(東京都港区)では、中央改札から港南口に向け、マスク姿の通勤客の波が途切れず続いていた。会社員の30代男性は「電車の中は比較的空いている印象があったが、駅の様子は変わらない」。
東京都の小池百合子知事はテレワークの徹底を呼びかけている。男性の勤務先もテレワークを推奨しているが、この日は取引先企業に出向く必要があり出勤した。「いつもテレワークできるわけじゃない。どんな仕事の人もそうなのでは」
まん延防止等重点措置はどれほど効果があるか。男性は「緊急事態宣言でも下げ切れなかったのに、重点措置で感染者が減るだろうか。近所で遅くまで営業する飲食店も増えており、心配だ」と語った。
改札で知人と待ち合わせをしていた70代女性は「少ない人数なら問題ないと思って、出かけることにした。ホームや駅構内は混んでいたけど、電車は思ったより空いていて、渋谷から座って来られました」と話した。
拡大するマスクをつけて通勤する人たち=2021年4月12日午前7時54分、東京・品川駅、伊藤進之介撮影
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東京駅 PCR検査受け名古屋へ
東京駅八重洲口。東京都内のビル管理会社の男性役員(45)は、ビジネスバッグと小型のスーツケースを手に、東海道新幹線の改札へと向かった。前日にPCR検査を受けて陰性を確認したという。「自分が東京から行くことで、出張先の人たちに不安な思いはさせられない」
普段はズームなどのオンライン会議で業務上の指示を伝えているが、名古屋に配属した新入社員への訓示もあり、出張を決めたという。検査は1回で1万5千円かかるが、出張のたびに欠かさず受けてきた。今回は対面する新入社員の側にも検査を受けてもらったという。「東京にウイルスを持ち帰るわけにも行きませんから」
拡大する東京駅前では職場へと急ぐ人たちの姿が見られた=2021年4月12日午前8時29分、東京駅丸の内口、抜井規泰撮影
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル