36人が死亡した2019年の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人などの罪に問われた青葉真司被告(45)に対し、京都地裁は25日、判決を言い渡します。殺人事件として戦後最悪とみられる犠牲者を出した事件について、裁判員らの判断は。関係者の受け止めとは。詳報します。
■■■1月25日■■■
11:55
判決言い渡しは休憩 午後1時再開
京都地裁は、青葉被告の生い立ちや精神鑑定の内容などについて説明した後、休憩に入った。午後1時に再開される。
11:05
「心神喪失でも心神耗弱でもありません」
京都地裁は、主文を後回しにした上で、最大の争点だった青葉被告の刑事責任能力について「心神喪失でも心神耗弱でもありません」と述べた。完全責任能力を認めた形で、厳刑が予想される。
11:00
裁判長「主文は後から言います」
青葉真司被告の判決公判が京都地裁で始まった。増田啓祐裁判長は冒頭、「主文は後から言います」と述べた後、判決理由の説明から始めた。検察側は死刑を求刑し、弁護側は無罪を主張している。
判決理由の読み上げはまず責任能力についての認定と、有罪か無罪かの判断が示された後、有罪の場合、量刑の理由が示されるとみられる。主文を後回しにしても極刑とは限らない。「被告が主文に動揺せず、判決理由を聞いてほしい」など、裁判官や裁判員の意向で採用されることもある。
10:40
傍聴席の整理券、409枚配布
京都地裁は一般傍聴席23席に対し、傍聴を希望する人への整理券を409枚を交付したと発表した。
10:30
開廷直後に一時休廷 改めて結審
京都地裁は開廷の直後に一時休廷を告げた。「証拠の整理に漏れがあった」として審理を再開し、改めて結審した。午前11時から判決が言い渡される見込み。
09:00
傍聴求める大学院生「京アニ作品が大好き」
大学院生の20代男性は25日の判決公判を前に、滋賀県から来て傍聴整理券を受け取った。
「もともと京アニ作品が大好き」で、事件に衝撃を受けていたという。傍聴に来たのは初めて。青葉被告には「別の形で京アニに思いを伝えてほしかった」と思う。「どんな判決が出るか注目したい」と話した。
08:40
傍聴希望する人へ整理券配布始まる 京都地裁
京都地裁の近くでは25日午前8時40分ごろ、傍聴を希望する人への整理券の交付が始まった。雪が舞うなか、交付前から約30人が傘をさしたり、フードをかぶったりして並んでいた。
愛知県の大学2年生、本多結羽(ゆうは)さん(20)は、午前7時半ごろから母親と一緒に並んだ。京アニ作品の「Free!」が好きだった。大学で犯罪心理学を学んでいるのも理由だ。「青葉被告の精神状態が判決にどう影響するのか、直接見て知りたかった」と話した。
京都アニ放火殺人事件 責任判断が焦点
36人が死亡した2019年の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人などの罪に問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判の判決は25日、京都地裁で言い渡される。検察側の死刑求刑に対し、弁護側は無罪を主張。事件当時、妄想の影響を受けていた青葉被告の刑事責任能力について、裁判員らがどう判断したかが最大の焦点となる。
青葉被告は19年7月、京アニ第1スタジオ(京都市)の1階中央フロアに侵入し、事前に準備したバケツに入れたガソリンを社員に浴びせかけるなどして放火。3階建てのスタジオを全焼させ、京アニ社員ら36人を殺害し、34人を殺害しようとし、うち32人を負傷させたとして起訴された。
事件の動機や経緯について、青葉被告は自身の小説作品のアイデアを「京アニに盗用された」とし、「自分は『闇の人物』に監視されている」「京アニは『闇の人物』と一緒になって自分に嫌がらせをしている」と考えたなどと述べた。
こうした妄想が事件に与えた影響について、検察側は「大きくなく、善悪を区別できる状態だった」とし、責任能力があると強調。「地獄さながらの状況にさらされた被害者の恐怖と絶望感は筆舌に尽くしがたい」として死刑を求刑した。
一方の弁護側は、青葉被告は重度の妄想性障害で「事件まで10年以上にわたり、妄想を前提に物事を考えてきた」と主張し、心神喪失で無罪、または心神耗弱で減刑すべきだと訴えた。
昨年9月に始まった裁判は3段階に分けて進み、①事件の経緯や動機②責任能力を審理後、同11月には中間評議で責任能力に関する結論を出した。その後、③量刑の審理に移り、被害者参加制度を利用した多くの遺族らが意見陳述した。
青葉被告は、遺族らの意見陳述後にあった同12月の被告人質問で、「申し訳ございませんでしたという言葉しか出てきません」と謝罪の言葉を口にした。多くの遺族が極刑を求めた点には「その通りに、償うべきだととらえている部分がある」とも述べた。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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