和歌山市の雑賀崎(さいかざき)漁港付近で15日昼前、爆発音がありました。現場付近には、衆院選和歌山1区補選の自民党公認候補のために応援演説に駆けつけた岸田文雄首相がいました。首相にけがはなく、男が取り押さえられました。状況を速報します。
17:00
和歌山に応援に入った維新・吉村氏「暴力に屈しない」
岸田文雄首相に向けて爆発物のようなものが投げつけられた事件から約4時間後に衆院和歌山1区補選の応援で和歌山市内に入った日本維新の会共同代表の吉村洋文・大阪府知事は、記者団に「暴力で民主主義を破壊しようとする行為は絶対に許されてはいけない。厳重に強く抗議する」と述べた。
吉村氏は、「それぞれ色んな考え方は政党によって違うが、議論を戦わせて多数決で物事をすすめていくというのが民主主義。暴力でねじ曲げるという行為は絶対にあってはならないし、強い怒りを覚える」と語った。
その上で、事件を受けて応援演説を取りやめる選択肢がなかったか問われ、「ありません。やめるということは、(暴力に)屈することになる」と述べた。
16:40
岸田首相、厳重警備の新浦安で演説 爆発事件への言及なし
岸田文雄首相は和歌山市内での衆院補欠選挙の候補者の応援演説を終えた後、飛行機で羽田空港に戻り、同じく衆院補選がおこなわれている千葉5区に移動して、街頭演説に臨んだ。
雨が降りしきる演説会場のJR新浦安駅前広場には午後4時40分ごろ到着。周辺に数多くの警察官が配置され、厳重な警備体制が敷かれていた。首相は候補者に続き、「天気は変えることはできませんが、政治は皆さんの一票一票によって変えることができる。しっかりと思いをめぐらしてください」などと聴衆に訴えた。
爆発事件への言及はなかった。20分弱の演説を終えた後は聴衆にあいさつをしてまわり、次の演説会場に向かった。
16:10
立憲・辻元清美氏「暴力は許さない。言論で戦う」
安倍晋三元首相の死去に伴う衆院山口4区補選の応援で、山口県下関市に入っていた立憲民主党の辻元清美氏は演説で「今日、和歌山でまたびっくりするような事件が起こりました。良かったですよ、岸田さんの身に何か起こらなくって」と岸田文雄首相の演説会場での爆発に触れた。
安倍元首相の銃撃事件について振り返り、「(自分は)安倍総理の天敵と言われておりました女で、相当激しくやり合った。でもやっぱり、人の命を奪う言論を暴力で封じるということはあってはならない。命を失った安倍元総理のためにも、暴力は許さない。言論で戦う」と語った。
16:30
下関市長「今後、選挙の形が変わるかもしれない」
和歌山市内の岸田文雄首相の演説会場で起きた爆発について、昨年7月の銃撃事件で亡くなった安倍晋三元首相の秘書だった山口県下関市の前田晋太郎市長は朝日新聞の取材に、「現職の首相を狙った民主主義の根幹を揺るがす行為で許されない」と非難する一方、「このような事件が続くと、今後、集会や街頭演説を控えるなど、選挙の形が変わるかもしれない」と危機感を示した。
16:00
安倍氏銃撃現場にいた参院議員「心臓がバクバク」
昨年7月に奈良市で安倍晋三元首相が銃撃された際、安倍氏の傍らにいた佐藤啓・参院議員がツイッターに「心臓がバクバクし、全身から怒りが込み上げてきました。このような卑劣な行為は断じて許すことはできない」と投稿した。
15:45
安倍昭恵氏「二度とあってはならない。ご無事で何より」
和歌山市内の岸田文雄首相の演説会場で起きた爆発について、昨年7月に銃撃されて亡くなった安倍晋三元首相の妻の昭恵氏は「二度とあってはならない。(岸田首相が)ご無事で何よりでした」と朝日新聞の取材に話した。安倍氏の死去に伴う衆院山口4区の補欠選挙に、安倍氏の後継として立候補した吉田真次氏と選挙区内の山口県長門市をあいさつ回りに訪れていた。
昭恵氏は前日の14日に下関市内であった吉田氏の決起集会であいさつに立ち、安倍氏が亡くなった当日のことを声を震わせながら振り返っていた。安倍氏が搬送された病院に駆け付けた時のことを「即死状態と言われていましたが、最後に私が手を握った時に主人が手を握り返してくれたように感じました」と話した。
15:45
国民民主・玉木代表「短期間に二度も、警備のあり方検証と見直しが必要」
国民民主党の玉木雄一郎代表は「民主主義の根幹を揺るがす行為であり絶対に許されるものではない。暴力に決してひるむことなく選挙戦を戦い、言論の自由や政治活動の自由を守り抜く」とするコメントを発表した。
一方、昨年7月に安倍晋三元首相の銃撃事件が起きたことを踏まえ、「短期間に要人が二度も襲われ未然に防ぐことができなかったという点について、警備のあり方について不断の検証、見直しが必要と考える」と指摘した。
15:35
現行犯逮捕の男「弁護士が来てから話す」 現場の警察官1人軽傷
和歌山県警によると、威力業務妨害容疑で現行犯逮捕した男は調べに対し、事件などについて「弁護士が来てから話す」と述べているという。また、県警は、現場にいた警察官1人が軽傷を負ったと明らかにした。
県警は「岸田総理大臣演説会場における威力業務妨害事件について」と題して発表した。男が何らかの物体を岸田文雄首相に向けて投げ込んだとして捜査を進めている。
15:00
和歌山県知事「暴挙に怒りを感じる、犯人に怒りを隠しきれない」
県庁で会見した岸本周平和歌山県知事は「選挙期間中の暴挙に怒りを感じる。暴力に屈してはいけない。犯人には怒りを隠しきれない」と話した。「岸田首相や住民にけががなかったことには胸をなでおろしている。背後関係や動機は分からないので警察の調べを待ちたいが、(安倍元首相の銃撃事件以降)警護が厳重になっていることを知ったうえでの凶行なので背景を検証しないといけない」とも語った。
知事が事件の一報を受けたのは、出張先の東京から大阪国際空港(伊丹空港)に着いたあとだった。大阪市での公務を急きょ取りやめて公用車で和歌山に戻る途中の午後0時10分ごろから約5分間、山崎洋平・県警本部長から事件の概要の説明を受けたという。
14:20
松野官房長官、演説続行に「首相の判断であったかと思う」
松野博一官房長官は首相官邸で記者団の取材に応じ、「選挙は民主主義の根幹をなすものであり、そのような選挙の中で今回のような暴力行為は断じて許されない」と述べ、警察庁に対して要人警護の徹底を図るよう指示したと明らかにした。
首相は、爆発事件が起きた現場を去った後、次の会場のJR和歌山駅で、予定より時間を遅らせて演説した。松野氏はこの判断について記者団に問われ、改めて選挙が民主主義の根幹であることを強調。「暴力によって威嚇があったり、阻害されたりすることはあってはならないことだ。その中においての首相の判断であったかと思う」と語った。
また、今回の事件が首相本人を狙った政治テロという認識かどうかについて問われ、「動機、背景は証拠などによるものであるので、警察の捜査を待ちたい」と述べるにとどめた。
14:15
立憲・泉代表「ひるまず民主主義のために訴え続ける」
立憲民主党の泉健太代表は遊説先の大分県佐伯市で記者団の取材に応じ、「政治活動の場で政治家や聴衆に危害が及ぶようなことは絶対に許してはいけない」と事件を非難した。そのうえで「昨年、安倍晋三元首相が銃撃された事件の後、民主主義を守る側の政治家の役割を再認識している。ひるむのではなく、堂々と民主主義のために訴えを続ける使命感を持ちたい」と語った。
泉氏は通常通りの活動を行うよう党内に指示したことも明らかにし、「政治活動が暴力や脅迫によってためらわれたり、制約を受けたりすることはあってはならない」と述べた。自身も予定通り選挙応援を続ける考えを示した。
14:35
岸田首相、16日に大分県内で演説予定 県警「警備は強化する」
岸田文雄首相は16日に参院大分補選のため、大分県内で演説を予定している。警備にあたる大分県警警備運用課の大塚和男次席は「現在、岸田首相の計画が変更されるか情報収集にあたっている。いずれにしても、警備態勢は強化する」と話した。
13:55
「私は街頭演説の場に立ち続けます」 首相、ツイッター投稿
岸田文雄首相は事件後、ツイッターで自身の写真とともに、「いま私たちは、私たちの国にとって民主主義にとって最も大切である選挙を行っています。この国の主役である皆さん一人一人の思いをしっかり示して頂かなければなりません。その思いで私は街頭演説の場に立ち続けます。この大切な選挙を、ぜひ国民の皆さんと力を合わせて、最後までやり通す覚悟です」と投稿した。
13:30
安倍元首相の後援会長、山口補選は「暴力に屈せず進める」
和歌山市内の岸田文雄首相の演説会場で起きた爆発について、昨年7月に銃撃事件で亡くなった安倍晋三元首相の後援会長の伊藤昭男氏は朝日新聞の取材に「理由はわからないが、冗談じゃない。岸田首相が無事で何ともないと聞き、安心した」と話した。
現在、山口県では安倍氏の死去にともなう衆院山口4区補選が行われている。伊藤会長は「動機がわからない以上は(選挙戦を)粛々と進めていくしかない。暴力に屈することなく進める」と語った。
13:20
維新・馬場代表「民主主義に対する挑戦であり、怒りを覚える」
日本維新の会の馬場伸幸代表は事件を受け、コメントを発表し、「昨年の参議院選挙に続き、国民の民意を示す選挙において、暴力による事件が起こったことは民主主義に対する挑戦であり、非常に怒りを覚える」と批判した。
そのうえで、「今後このような事件が起こらないことを切に願う。日本維新の会はこのような暴力に屈せず、民主主義の醸成を願い、この選挙戦も最後まで戦いぬくことを決意する」とした。
13:00
公明・山口代表「断じて許されない、暴挙にひるまず訴え続ける」
公明党の山口那津男代表は事件を受け、各社の取材に「和歌山で補欠選挙が行われている最中であり、政治家や候補者が有権者に訴える民主主義の最も基本的な働きを妨害するものであり、断じて許されない」と述べた。容疑者が逮捕されたことを受け、事件の動機について「速やかに究明してもらいたい」と語った。
今後の選挙活動への影響については「萎縮効果を与えないように、しっかり警備、警戒態勢を再確認してもらいたい。このような暴挙にひるむことなく、選挙に対しては冷静にしっかりと有権者への訴えを続けていきたい」とした。
13:10
共産・小池書記局長「繰り返される事態、深刻に受け止めなければ」
共産党の小池晃書記局長は朝日新聞の取材に「民主主義において最も重要な選挙という場面で、暴力に訴えることは断じて許されない」と批判した。
安倍晋三元首相の銃撃事件に続く、街頭演説を狙った犯行のため、「同じようなことが繰り返されている事態は深刻に受け止めなければならない。選挙は有権者と接することが重要なので警備態勢との兼ね合いは難しいが、警備上の問題はなかったか、検証する必要がある」と述べた。
13:00
自民党広報「あすの大分の演説も予定通り実施」
岸田文雄首相は参院大分補選の応援で16日に大分県を訪問する予定だ。自民党広報はツイッターの公式アカウントで「明日・大分県で予定している岸田総裁の演説会も【予定通り】実施いたします。激励のコメントを多数いただき感謝申し上げます」とツイートした。
13:00
海外メディアも速報 「安倍氏銃撃のわずか9カ月後に」
岸田文雄首相の演説会場で起きた爆発について、海外メディアも相次いで速報した。
AP通信は、「事件は安倍晋三氏が選挙演説中に銃撃されてから、わずか9カ月後に起きた。銃撃事件の後、日本の警察の警備は強化されていた」と報道。米CNNや英BBCも、日本のメディアの報道を英訳する形で速報した。
12:40
首相、次の演説会場へ向かう 「最後までやり通す」
爆発が起きた後、岸田首相は予定通り、次の演説会場のJR和歌山駅前に移動した。会場では、何十人もの警察官が数メートル置きに並び、周辺の歩道を聴衆が埋めた。雨がぱらつく中、岸田首相は午後0時40分ごろ、SPに四方を囲まれながら選挙カーの上に登った。
岸田首相は爆発について触れた後、「詳細は警察が調べていますが、多くの皆さんに心配、ご迷惑をおかけしたことはおわびを申し上げながら、しかし、私たちは国にとって大切な選挙を行っている。この大切な選挙をぜひ皆さんと力を合わせて最後までやり通さなければならない」と述べた。
12:30
茂木幹事長 「選挙中の暴挙、強く非難」
岸田文雄首相の演説が予定されていた和歌山市内の漁港で爆発音がした事件を受け、自民党の茂木敏充幹事長は15日、コメントを発表し、岸田首相と連絡を取り、無事を確認したとしたうえで、「民主主義の根幹をなす選挙期間中にこのような暴挙が行われたことは極めて遺憾であり、強く非難する」と批判した。
12:30
ケリー元米国務長官 「とても悪いニュースだ」
15日、札幌市で始まった主要7カ国(G7)気候・エネルギー・環境相会合に参加する、米気候変動問題担当大統領特使のジョン・ケリー元国務長官は、記者団から岸田首相襲撃を聞かされ、「とても悪いニュースだ。大変気の毒。(岸田首相は)個人的な友人でもある」と話した。
11:30
「こいつや」 漁協関係者が男取り押さえる
岸田首相は15日午前11時20分ごろに和歌山市の雑賀崎(さいかざき)漁港に到着した。会場に来ていた人たちに手を振るなどして漁港の施設に向かい、アシアカエビやマダイなどを試食。その後、衆院和歌山1区補選の候補者とともに壇上に上がる直前、銀色の筒状のものが飛んだ。
「こいつや」と漁協の関係者が男を取り押さえ、SPとみられる男性が加勢して男を地面に押さえつけた。
11:30
居合わせた漁師「とっさに加勢、脚を押さえた」
聴衆の一人でエビ漁師の男性(41)は会場の最前列で岸田首相の演説を聴こうとしていたところ、突然、後方から煙が出た銀色の筒状のものが飛んできた。「逃げろ!」という叫び声も響いた。振り返ると、同じ漁協の漁師が容疑者の男を取り押さえようとしており、「とっさに加勢して脚を押さえた」という。
「周りには子どももたくさんいた。何てことをしてくれたんかな、という感情しかない」。付近には多くの警察官がいたといい、「男が爆弾を投げる前に捕まえられなかったのかなとも思う」と語った。(滝沢貴大)
11:20
足元に「瓶のようなもの」 和歌山市長と首相、間一髪で避難
和歌山市の尾花正啓市長は、岸田文雄首相を現地で迎えた。雑賀崎漁港でとれるタイやエビを試食したあと演説スペースにまわった岸田首相に対して、衆院和歌山1区補選の候補者とともに雑談を始めたときだった。
「煙っている瓶のようなもの」が飛んできて足元に転がってきた。すぐにSPによって避難させられ、岸田首相はパトカーに乗せられた。そのころに爆発音を聞いた。「これは民主主義に対する挑戦だ。僕自身も強い憤りを感じる。この和歌山で、みんなが親戚のように暮らしている雑賀崎で、このようなことが起きたことがなによりも残念だ」(下地毅)
雑賀崎漁港とは
和歌山市南西部にある雑賀崎(さいかざき)漁港の一帯は、海沿いの斜面に階段状に家々が立ち並び、その景観が世界遺産のイタリアの景勝地に似ているとして「日本のアマルフィ」とも呼ばれる。底引き網漁が盛んで、鮮魚の直売もしており、地元住民や観光客が多く訪れる。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル