24日午後8時5分ごろ、桜島(鹿児島県)の南岳で爆発的な噴火が発生し、大きな噴石が火口から約2・5キロに飛散しました。気象庁は噴火警戒レベルを3(入山規制)から最も高い5(避難)に引き上げました。現地の状況をタイムラインでお伝えします。
■■■7月25日■■■
09:30
厚い雲に覆われ、噴煙見えず 本社ヘリから
噴火から一夜明けた25日、本社ヘリ「はやどり」で桜島へ向かった。午前9時半ごろ、高度300メートルで桜島の南、錦江湾上空に到着。湿った空気の影響で、6合目付近からは厚い雲に覆われ、火口は見えなかった。目視では、黒い噴煙も見えず、白い雲がかぶさっていた。一部に避難指示が出された鹿児島市古里町の沖合には、海上保安庁の巡視船3隻が警戒にあたっていた。(堀英治)
09:00
桜島内の国道、通行止め区間を縮小
桜島の噴火警戒レベルが最大の5(避難)に引き上げられたことを受け、鹿児島県は25日午前9時から災害対策本部会議を開き、現時点で人的被害や住居などへの被害がないことを確認した。本部長の塩田康一知事は、関係機関と連携して住民の安全を確保するよう指示。会議後、報道陣に「引き続き状況を注視し、各関係機関とも情報を共有したい」と述べた。
県などによると、24日午後10時から全線通行止めだった桜島内の国道224号は25日午前6時、通行止め区間が古里町―有村町間の2・8キロに縮小された。
25日午前9時現在、鹿児島交通の路線バスの桜島港―桜島口間と、鹿児島市交通局の周遊バス「サクラジマアイランドビュー」が運転を見合わせている。ほかの路線バスやJRの新幹線、在来線、各フェリーは通常通り動いている。
桜島内にある小・中学校は夏休み中だが、部活動などによる登校を控えさせ、教職員も自宅待機中。(豊島鉄博)
■■■7月24日■■■
23:10
鹿児島市が災害対策本部会議「落ち着いて避難を」
鹿児島市は午後10時ごろから災害対策本部会議を開き、同20分、火口から3キロ圏内にかかる同市有村町全域と古里町の一部に避難指示を発令した。対象世帯は計33世帯51人で、すでに3世帯5人が避難所の「高齢者福祉センター東桜島」に避難した。
市消防局によると、午後10時現在で被害に関する通報などは入っていない。異状がないか確認を継続するとともに、対象地区の住民に避難を呼びかけている。また、市が用意した避難用バス2台が現地に向かっており、住民らを乗せて避難所に向かう。災害対策本部会議後に取材に応じた下鶴隆央市長は「避難所も開設し、防災無線と消防団などの呼びかけもしているので、(対象地区の住民は)ぜひ避難をしてほしい。落ち着いて避難してください」と呼びかけた。
23:10
桜島のコンビニ「普段と変わらず」
桜島のフェリー乗り場に近い「ファミリーマート桜島店」(鹿児島市桜島横山町)のアルバイト二宮春樹さん(45)は、本社からの連絡で噴火警戒レベルの引き上げを知った。爆発的噴火があった24日午後8時過ぎは自宅のある鹿児島県垂水市から車で出勤する途中で、爆発の音や振動は感じなかったという。
出勤後も普段と変わった様子はなく、住民が避難や買い出しに訪れる動きも見られないが、店の前を通る国道224号は通行止めとなり、数台の車が店の駐車場に止まっていた。「桜島の噴火で避難指示が出たのは聞いたことがない。何も起きないといいですが」と話していた。
22:55
桜島の11世帯17人が避難
鹿児島市によると24日午後10時55分現在、避難所の「高齢者福祉センター東桜島」に11世帯17人が避難した。
22:50
気象庁会見「噴石に厳重な警戒を」
気象庁が記者会見し、桜島で火山活動が活発化しているとしたうえで、島南部の一部の居住地域について「大きな噴石に厳重な警戒をしてください」と呼びかけた。また、今後の降灰次第で「降雨時に土石流が発生する可能性がある」と説明した。
22:30
鹿児島市の避難指示対象は33世帯51人
鹿児島市によると、避難指示の対象は33世帯51人。高齢者福祉センター東桜島に3世帯5人がすでに避難している。
22:25
桜島内を走る国道224号、全線通行止めに
国土交通省大隅河川国道事務所は、桜島内を走る国道224号を24日午後9時半ごろから全線通行止めにした。桜島港から垂水市の桜島口までの13・5キロの区間。
22:20
避難呼びかけられた女性は様子見て自宅に戻る
桜島南側の鹿児島市古里町に住む女性は、福岡県内に住む妹から「テレビつけて」と電話を受け、桜島の爆発的噴火と噴火警戒レベルの引き上げを知ったという。
町内放送では、有村町と古里町の住民に避難するよう呼びかけられているという。女性はいったん避難のために自宅から出たが、噴石が飛んできている様子がないことから自宅に戻ったという。
22:20
高齢女性「足が悪いので迎え待つ」
鹿児島市有村町の高齢女性は、朝日新聞の電話取材に「自分は足が悪い。市の職員が迎えに来る」と話し、避難できるのを自宅で待っているという。
22:20
鹿児島市、噴火口から3キロ以内の地区に避難指示発令
鹿児島市は24日午後10時20分、桜島の南岳山頂火口から3キロ以内の有村町、古里町の一部に避難指示を発令した。
22:12
避難用のバス2台の準備 鹿児島市
鹿児島市の危機管理課によると、住民の避難用のバスを2台出す準備をしている。
22:10
避難所の関係者「住民受け入れに混乱」
桜島(鹿児島県)で爆発的な噴火が発生したことを受け、島内での避難所となっている高齢者福祉センター東桜島には、住民が避難を始めている。朝日新聞の取材に応じたセンターの関係者は「現在、情報収集や住民の受け入れに混乱している」と話した。
22:05
昭和火口から2キロの男性「特に被害は無い」
桜島の昭和火口から約2キロに住む男性(91)は朝日新聞の取材に対し、「特に被害も無いし、大きな音もない。桜島に一番近い地元で何もないのに、なぜ噴火警戒レベル5が出る状況になっているのか。まだ何も状況が分からない」と話した。
22:00
官房副長官が会見「現時点で被害報告なし」
磯崎仁彦官房副長官は記者会見を開き、「現時点で特段の被害の報告は受けていない」と述べた。
会見で磯崎氏は「南岳山頂火口および昭和火口からおおむね3キロ以内、鹿児島市有村町および古里町にお住まいの皆様は、噴火に伴う大きな噴石に厳重な警戒をお願いする。おおむね2キロ以内の範囲では火砕流に警戒をしてほしい」と呼びかけた。
磯崎氏は「引き続き被害状況の把握を進め、自治体と緊密に連携を図りながら災害応急対応に全力で取り組んでいく」とも語った。
21:30
鹿児島地方気象台、噴石の飛距離でレベル5に
鹿児島地方気象台によると、24日午後8時5分に桜島で爆発的噴火があり、噴石が火口の東2・5キロに飛んだのが監視カメラで観測された。この付近に民家はないものの、火口の南2・4キロの有村地区(鹿児島市)には民家がある。噴石が2・4キロを超えて飛んだ場合は噴火警戒レベルを5に引き上げる基準になっており、今回の判断となった。
桜島では7月18日から、じわじわと山体の膨張が観測されており、22日に1回、23日に4回の噴火が観測された。いずれも爆発的噴火ではなく通常の規模の噴火だった。この5回の噴火や今回の爆発的噴火でも山体膨張は解消しておらず、今後も爆発的噴火が起きる恐れがある。
噴石が2・5キロ以上飛んだのは、2020年6月4日の爆発的噴火以来。この時は爆発の後に噴石が確認され、その時点で爆発的噴火の恐れが低くなっていたことから、警戒レベルの引き上げはなかった。仮に爆発的噴火と同時に噴石が確認されていたら、レベル5に引き上げられる規模だったという。
20:50
岸田首相、被害状況把握や観測強化を指示
岸田文雄首相は早急に被害状況を把握する▽地方自治体とも緊密に連携し、人命第一の方針の下、政府一体となって登山者や住民の避難など被害防止の措置を徹底する▽火山活動の状況について観測を強化し、登山者や住民に対する適時的確な情報提供を行う――の3点を指示した。また、桜島の火山活動に関する官邸対策室を設置した。
20:50
鹿児島県が災害対策本部を設置
鹿児島県は24日午後8時50分、災害対策本部を設置した。午後9時20分現在、人的・物的被害は確認されていないという。
20:25
鹿児島市が避難所設置
鹿児島市は24日、桜島の高齢者福祉センター東桜島(鹿児島市東桜島町)に避難所を設置する。桜島の対岸の市街地側に設置する予定はないという。
また、市役所に災害対策本部を設置し、市内の有村町と古里町の一部に避難指示を出すことを検討している。午後8時25分現在、市に被害の情報は入っていないという。
鹿児島市桜島支所(鹿児島市桜島藤野町)の夜間当直の男性は午後9時半ごろ、「噴火時は窓ガラスが少し揺れる程度で、通常の噴火だと思った。警戒レベルが上がったと聞いてびっくりした。被害情報は今のところ入っていない」と話した。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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