【速報中】青葉被告に死刑判決 遺族「妻も子も理解してくれる判決」

 36人が死亡した2019年の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人などの罪に問われた青葉真司被告(45)に対し、京都地裁は25日、死刑判決を言い渡しました。殺人事件として戦後最悪とみられる犠牲者を出した事件について、裁判員らの判断は。関係者の受け止めは。詳報します。

■■■1月25日■■■

17:30

亡くなった池田さんの夫「晶子も子どもも理解してくれる判決」

 36人が死亡した京都アニメーション放火殺人事件で、京都地裁は25日、青葉真司被告(45)に死刑判決を言い渡した。 判決の後、事件で亡くなった池田(本名・寺脇)晶子(しょうこ)さん(当時44)の夫(51)が取材に応じた。

 晶子さんは、京アニ作品「涼宮ハルヒの憂鬱(ゆううつ)」のキャラクターデザインを手がけた。夫はいま、一人息子と暮らす。「晶子も、子どもも理解してくれる判決だった。この日を迎えられたのは、色々な方々のおかげです」と語った。

15:30

娘を亡くした父「死刑にはなって欲しくなかった」

 判決後、事件で娘を亡くした父親は、「死刑にはなって欲しくなかった。死刑と聞いたときは『やっぱりそうか』と思い、ため息が出た」と話した。

 これまでの取材に対し、父親は、極刑を望む遺族の気持ちはもちろん理解できると話す一方で、「彼がもし死刑にされてしまったら、何が残るんかな」と心配していた。「優しくて楽しいアニメをつくる京アニに、死刑は似合わない」と思いを語っていた。

15:15

裁判員ら会見 「感情論にならないよう冷静に判断、苦労した」

 36人が死亡した京都アニメーション放火殺人事件で、京都地裁は25日、青葉真司被告(45)に死刑判決を言い渡した。 判決の後、裁判員4人と補充裁判員2人が記者会見に応じた。

 裁判員の40代男性は「被告の生い立ちであったり、被害者の気持ちであったりをどう整理していいかわからなかった。感情論にならないよう、冷静に判断するのが苦労した」と振り返った。

 公判は昨年9月から23回開かれた。補充裁判員の50代女性は「長い審理だった。評議も張り詰めていた。(判決を終え)今はすごくほっとしている」と語った。

15:30

「主張認められた」 京都地検コメント

 判決を受け、京都地検は「事実認定及び量刑いずれも当方の主張が認められたものと考えている」とのコメントを出した。

14:20

「判決を経ても無念さ変わらない」 京アニ社長がコメント

 京都アニメーションの八田英明社長は、代理人弁護士を通じ、コメントを発表した。

     ◇

 法の定めるところに従い、然(しか)るべき対応と判断をいただきました。長期に渡って重い責任とご負担を担っていただいた裁判員の方々、公正な捜査と関係者への行き届いた配慮に尽力いただきました検察・警察の皆さま、裁判官や書記官その他、裁判の実施に従事いただいたすべての皆さまに敬意を表します。

 判決を経ても、無念さはいささかも変わりません。亡くなられた社員、被害に遭った社員、近しい方々の無念を思うと、心が痛むばかりです。彼ら彼女らが精魂込めた作品を大切に、そして今後も作品を作り続けていくことが、彼ら彼女たちの志を繋(つな)いでいくものと念願し、社員一同、日々努力をしてまいりました。事件後、当社に加わった若人も少なくありません。

 これからも働く人を大切に、個々のスタッフが才能を発揮できることを心がけ、可能な限り、作品を作り続けていきたいと考えます。

13:50

傍聴した京アニファンの女性「心の中はわからないが…」

 裁判を傍聴した京都市内の30代の女性会社員は、2回目の傍聴だった。京アニ作品のファンで、事件の背景を知りたかったという。「心の中はわからないが、青葉被告の表情が前回とは違い、硬かった。事件と向き合うことができたのだろうか」と話した。

 極刑が言い渡されて遺族が涙する様子をみて「いたたまれない気持ちです」。女性は「ご遺族にとっては、青葉被告の生い立ちは関係ないし、刑が軽くなることもないと思う。でも青葉被告を生み出した社会にも責任がある気がした」と振り返った。

13:40

「死刑」の主文、裁判長繰り返す 青葉被告は表情変えず退廷

 36人が死亡した京都アニメーション放火殺人事件の判決公判で、京都地裁は25日、青葉真司被告(45)に死刑判決を言い渡した。

 言い渡す前に、裁判長はこう告げた。

 「最後に主文を告げますが、被告人よろしいですか」

 青葉被告がうなずく。

 「主文、被告人を死刑に処する」

 「主文をもう一度繰り返します。被告人を死刑に処する。主文は以上です」

 青葉被告は大きく頭を下げた。

 裁判長による説諭はなく、午後1時43分に閉廷した。青葉被告は表情を変えず、うつむいたまま退廷した。傍聴席の遺族は、涙をぬぐったり目頭を押さえたりしていた。

13:35

量刑の理由 36人死亡「あまりに悲惨で重大」

 京都地裁は青葉真司被告(45)の量刑理由についてまず、「犯行結果として36人(の死者)、あまりに悲惨で重大な事件」と指摘した。弁護側は計画性が高いとは言えないと主張していたが「責任を低下させるものとはいえない」と結論づけたうえで、犯行は「非人間的、身勝手な行為できわめて非人道的」と非難した。

13:30

死刑は「残虐な刑罰」にあたらないと判断

 京都地裁は、絞首刑と定める日本の死刑は憲法が禁じる「残虐な刑罰」にはあたらないと判断した。検察側が死刑を求刑していたが、弁護側は憲法に違反すると訴えていた。

13:00

判決言い渡しを再開

 京都地裁は午後1時に開廷し、判決の言い渡しを再開した。

11:55

妄想の存在認める一方、「影響は大きくない」

 36人が死亡した京都アニメーション放火殺人事件の判決公判で、京都地裁は25日、青葉真司被告(45)の生い立ちや精神鑑定の内容などについて説明した後、休憩に入った。午後1時に再開される。

 地裁は検察側が捜査段階で依頼した精神鑑定について、青葉被告が公判でも語っている「闇の組織」「ナンバー2」といった妄想に関する重要な情報が抜け落ちていて「信用性が低い」と指摘。弁護側の依頼で地裁が請求した精神鑑定をもとに妄想の存在を認めた。一方で犯行は(2008年の)秋葉原事件への共感や本人の攻撃的性格によるものだとして、妄想の影響は大きくないと述べた。

11:05

「心神喪失でも心神耗弱でもありません」

 京都地裁は、主文を後回しにした上で、最大の争点だった青葉被告の刑事責任能力について「心神喪失でも心神耗弱でもありません」と述べた。完全責任能力を認めた形で、厳刑が予想される。

11:00

裁判長「主文は後から言います」

 青葉真司被告の判決公判が京都地裁で始まった。増田啓祐裁判長は冒頭、「主文は後から言います」と述べた後、判決理由の説明から始めた。検察側は死刑を求刑し、弁護側は無罪を主張している。

 判決理由の読み上げはまず責任能力についての認定と、有罪か無罪かの判断が示された後、有罪の場合、量刑の理由が示されるとみられる。主文を後回しにしても極刑とは限らない。「被告が主文に動揺せず、判決理由を聞いてほしい」など、裁判官や裁判員の意向で採用されることもある。

10:40

傍聴席の整理券、409枚配布

 京都地裁は一般傍聴席23席に対し、傍聴を希望する人への整理券を409枚を交付したと発表した。

10:30

開廷直後に一時休廷 改めて結審

 京都地裁は開廷の直後に一時休廷を告げた。「証拠の整理に漏れがあった」として審理を再開し、改めて結審した。午前11時から判決が言い渡される見込み。

09:00

傍聴求める大学院生「京アニ作品が大好き」

 大学院生の20代男性は25日の判決公判を前に、滋賀県から来て傍聴整理券を受け取った。

 「もともと京アニ作品が大好き」で、事件に衝撃を受けていたという。傍聴に来たのは初めて。青葉被告には「別の形で京アニに思いを伝えてほしかった」と思う。「どんな判決が出るか注目したい」と話した。

08:40

傍聴希望する人へ整理券配布始まる 京都地裁

 京都地裁の近くでは25日午前8時40分ごろ、傍聴を希望する人への整理券の交付が始まった。雪が舞うなか、交付前から約30人が傘をさしたり、フードをかぶったりして並んでいた。

 愛知県の大学2年生、本多結羽(ゆうは)さん(20)は、午前7時半ごろから母親と一緒に並んだ。京アニ作品の「Free!」が好きだった。大学で犯罪心理学を学んでいるのも理由だ。「青葉被告の精神状態が判決にどう影響するのか、直接見て知りたかった」と話した。

京都アニ放火殺人事件 責任判断が焦点

 36人が死亡した2019年の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人などの罪に問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判の判決は25日、京都地裁で言い渡される。検察側の死刑求刑に対し、弁護側は無罪を主張。事件当時、妄想の影響を受けていた青葉被告の刑事責任能力について、裁判員らがどう判断したかが最大の焦点となる。

 青葉被告は19年7月、京アニ第1スタジオ(京都市)の1階中央フロアに侵入し、事前に準備したバケツに入れたガソリンを社員に浴びせかけるなどして放火。3階建てのスタジオを全焼させ、京アニ社員ら36人を殺害し、34人を殺害しようとし、うち32人を負傷させたとして起訴された。

 事件の動機や経緯について、青葉被告は自身の小説作品のアイデアを「京アニに盗用された」とし、「自分は『闇の人物』に監視されている」「京アニは『闇の人物』と一緒になって自分に嫌がらせをしている」と考えたなどと述べた。

 こうした妄想が事件に与えた影響について、検察側は「大きくなく、善悪を区別できる状態だった」とし、責任能力があると強調。「地獄さながらの状況にさらされた被害者の恐怖と絶望感は筆舌に尽くしがたい」として死刑を求刑した。

 一方の弁護側は、青葉被告は重度の妄想性障害で「事件まで10年以上にわたり、妄想を前提に物事を考えてきた」と主張し、心神喪失で無罪、または心神耗弱で減刑すべきだと訴えた。

 昨年9月に始まった裁判は3段階に分けて進み、①事件の経緯や動機②責任能力を審理後、同11月には中間評議で責任能力に関する結論を出した。その後、③量刑の審理に移り、被害者参加制度を利用した多くの遺族らが意見陳述した。

 青葉被告は、遺族らの意見陳述後にあった同12月の被告人質問で、「申し訳ございませんでしたという言葉しか出てきません」と謝罪の言葉を口にした。多くの遺族が極刑を求めた点には「その通りに、償うべきだととらえている部分がある」とも述べた。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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