動物たちの「気になる傷」
動物虐待の件数が、ここ数年で急増しています。その悲惨な実態と最新の対策を取材しました。
徳島市にあるNPO法人「HEART(ハート)」。カナダ人のスーザン・マーサーさんと、夫の東條仁志さんが、引き取り手がいなかったり、人に捨てられたりした犬や猫を保護しています。
「徳島にも殺処分をなくすため、お世話するシェルターを作りたかった」(スーザン・マーサーさん)
NPO法人を立ち上げた14年前、徳島では殺処分がおよそ7700匹にまで上っていましたが、自治体などと協力し、10分の1ほどまで減ってきました。
スーザンさん夫妻と県の動物愛護管理センターに訪れたこの日、おりの隅でじっと動かない2匹の犬の姿がありました。
「私も入らない方がいい。ちょっと今怖がっている。人がたくさんいるから余計におびえている」(スーザンさん)
現在、ハートで保護されている動物は206匹。しかし、最近保護される動物に気になる点があるといいます。
「多分30、40匹ぐらい。虐待かな。けが(の様子が)おかしいとか、ネグレクトも多いし」(スーザンさん)
4カ月前、山に捨てられていた犬を保護しましたが、その犬の首には大きな傷がありました。原因は、子犬の時につけられたポリエステル製のロープ。成長に合わせてサイズをかえてもらえず、保護した時、首にロープが食い込んでいたのです。
一方、この取材の2日前に保護されたばかりの野良猫。歩くことができないほどの虐待を受けたとみられます。
「この子の傷はいま治療している所なんですけど、右足で説明すると足の甲を一文字で切られているような感じなんですけど、こっちも傷痕あるね。こっちの内側も同じように切られたというか、つぶされたようなペンチでぐっとつぶされたような」(スーザンさんの夫・東條仁志さん)
保護を依頼した人によると、過去、この猫は同じように切りつけられた傷があり、「このままでは殺されてしまうかもしれない」と通報したといいます。
「ここまで人なつっこい子達は危険なんですよ。本当に的にされやすい。優しい人が寄ってのは全然問題ないんですけど、彼らに見抜く事はできない」(東條さん)
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース