【Q&A】「イージス・アショア」の代替策は?(THE PAGE)

 政府は、秋田、山口両県への配備計画を断念した陸上配備型の迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の代替策を検討しています。陸上案に代わって、洋上にレーダーやミサイル発射装置を設置する3案の中から年末までに1案に絞る考えです。3つの案とはどのようなものなのでしょうか? 陸上配備を断念した経緯を振り返りながら見てみましょう。

Q:そもそもイージス・アショアって何?

イージス・アショアは、ミサイル開発を進める北朝鮮などを念頭に、日本の弾道ミサイル防衛(BMD)を強化するため2017年12月に政府が導入を決定した装備です。米国から購入することになっています。

Q:陸上配備はどうして断念したの?

日本全土をカバーするため秋田、山口両県の陸上自衛隊演習場に配備する計画でした。しかし、秋田で19年6月、防衛省の説明資料に多くの誤りがあったり、説明会で職員が居眠りしたりと不手際が重なり、地元の理解が得られない状況が続いていました。 決定打となったのは、迎撃ミサイルを発射した場合に推進装置(ブースター)を安全に落下させられないことが明らかになったことです。その改修に時間とコストがかかるとして防衛省は20年6月、イージス・アショアの配備計画停止を決めました。

Q:どんな代替案を検討しているの?

防衛省は9月、レーダーやミサイル発射装置といったイージス・アショアの装備を「移動式の洋上プラットフォーム」に搭載する案を示しました。陸上を断念し、海上に置くことにしたのです。現在、3つの案が出ており、年末までに1つを選ぶ予定です。 検討過程では、陸上にレーダー、洋上にミサイル発射装置を配置する「分離案」も俎上(そじょう)に載りました。ただ、電波を使った無線で装置間の通信を行うことから、妨害される恐れがあることやタイムラグが生じる可能性があるといった課題からこの案は除外されました。

Q:3つの案はどういうもの?

(1)自衛隊のイージス艦など護衛艦(2)タンカーなど商船(3)石油掘削装置(オイルリグ)――という3案が候補に挙がっています。 「石油リグ」は耳慣れない用語ですが、海底油田の採掘時に建設する移動式の設備で、米海軍がレーダーを搭載して運用している例があります。 巨大な構造物を海上に浮かべる「メガフロート案」についてはも、警備上の問題を踏まえ見送られました。

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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