九州をはじめ、全国の広い範囲で甚大な被害が出ている「令和2年7月豪雨」について、政府は「特定非常災害」に指定しました。また、復旧にかかる費用を政府が支援する「激甚災害」にも、近く指定される見込みです。大規模な災害が発生した際にニュースなどで耳にする「特定非常災害」や「激甚災害」。どのような場合に指定され、指定されると何が変わるのでしょうか。
「特定非常災害」って何?
内閣府によると、特定非常災害は「著しく異常かつ激甚な非常災害」と法律で定められています。 具体的には、以下の4つの要件に基づき、総合的に判断した上で、指定されます。
(1)死者、行方不明者、負傷者、避難者等の多数発生
(2)住宅の倒壊等の多数発生
(3)交通や水道、電気、ガスなどの広範囲にわたる途絶
(4)地域全体の日常業務や業務環境の破壊
Q:指定されるとどうなるの?
指定されると、被災者の生活再建のため、行政上の特例措置が適用されます。例えば、運転免許証の更新時期が過ぎても有効期間を延長できる、債務超過に陥った場合、一定期間、破産手続きが開始されずに済む、家族が亡くなった場合、財産を相続するかどうかを決める期間を延長できる--などの措置がとられるのです。 特例措置は特定非常災害の発生日を1日目として、それぞれ期限が設定されています。運転免許証の更新延長であれば最大6か月間、破産手続きの猶予は最大2年間、相続期間の延長は最大1年間などとなっています。今後、特例措置に関係する警察庁や厚生労働省などの府省庁が、適用する期間や対象者を具体的に定め、告示します。
Q:これまで「特定非常災害」に指定された例はあるの?
これまで特定非常災害に指定された災害は、阪神・淡路大震災(1995年)、新潟県中越地震(2004年)、東日本大震災(2011年)、熊本地震(2016年)、西日本豪雨(2018年)、台風19号(2019年)があります。 「令和2年7月豪雨」は7例目となります。
「激甚災害」とは?
激甚災害は、豪雨や地震、台風などで著しい被害があり、復旧事業を進める自治体への財政支援が必要と判断される災害のことで、「激甚災害法」に基づいて政府が指定します。 激甚災害制度は、被害が広範囲に及ぶ場合に特定の災害(による被害)全体を指定する「激甚災害(本激)」と、局所的被害が出た市町村を対象にする「局地激甚災害(局激)」に分けられます。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース