うんこドリルで笑いながら交通ルールを学ぼう-。子どもたちに楽しく交通安全の知識を身に付けてもらおうと、川崎市幸区の市立日吉小学校と中学校のPTAが大ヒットした「うんこ漢字ドリル」とタッグを組んで「うんこ交通安全ドリル」を製作した。近くお披露目イベントもあり、できたてほやほやのうんこドリルを無料配布する。
〈うんこがふり始めた横断歩道。二人の小学生がわたろうとしているよ。この後、どんなことがおこるかな?〉
〈うんこがどしゃぶりになった後の道路を、トラックが左に曲がろうとしているよ。曲がり切ったとき、どのうんこまでふまれていると思うかな?〉
うんこが空から降ってくる街を舞台に、横断歩道を渡る際の注意点をはじめ、大型車の内輪差や死角などをクイズ形式で学ぶことができる。うんこ漢字ドリルではおなじみの「うんこ先生」が登場するほか、うんこまみれの道路などかわいらしいうんこのイラストが笑いを誘う。読者は小学校1年生を想定している。
きっかけは5月の悲惨な事件だった。同市多摩区の登戸駅近くの路上で、登校中の小学生ら20人が殺傷された。同中学校PTAの嶋田正邦会長(48)は「事件は防ぎようがなかったかもしれないが、正しい知識を身に付ければ防げる危険はある」と、子どもの安全のために何ができるのか思案してきたという。
例文の全てに「うんこ」を用いたばかばかしさが子どもたちに受け、2年前に人気を集めた「うんこ漢字ドリル」。嶋田会長は、旧知の仲だった出版元の文響社うんこ事業部の門川良平さん(36)と話し合いを重ね、同社と協力して交通安全をテーマにしたうんこドリルの製作を決めた。
嶋田会長や門川さんらが実際に通学路を歩いて注意が必要な場所を一つ一つ確認したり、市内の運送会社を訪ねてトラックからの死角検証を実施したりして内容を練り上げた。門川さんは「ふざけながらも役立つ情報をきちんと盛り込んだ。汎用(はんよう)性の高いドリルになった」と自信をにじませる。
巻末には「日吉小学校 学区マップ」と題して、車や自転車の通りが多い道路や、街灯が少ない場所など、同小学校周辺で登下校時に注意すべきポイントを示した地図を付けた。嶋田会長は「ゆくゆくは他の小学校向けの地図も作って提供していきたい。モデルケースとしての役割が果たせると思う」と期待する。
将来的には自転車の乗り方を学べるものや、インターネットの利用を見据えたメディアリテラシーに関するうんこドリルの製作も視野に入れているという。門川さんは「学校できちんと教えることが難しいテーマでも、うんこドリルが持つユーモアの力で子どもたちに伝えていけるはず」と目を輝かせている。
ドリルはA5判22ページで全カラー。11月4日午後2時から同市幸区のコトニアガーデン新川崎でお披露目イベントがあり、先着500人の子どもにドリルをプレゼントする。書店での販売は予定しておらず、同PTAなどを通じて購入できるようになるという。
問い合わせは、同小学校PTAにメール(pta.hiyoshi.kawasaki@gmail.com)を送る。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース