今年で28回目となる「あいち国際女性映画祭」は、15~18日に名古屋市で開かれる。会場は東区のウィルあいちと中村区のミッドランドスクエアシネマ2。女性監督による意欲作を集め、世界や日本初公開作品も上映する予定だ。
オープニング作品の「ツアーガイド」は日本初公開。韓国に亡命した脱北者の女性が中国でツアーガイドとして働く物語。犯罪など特殊な状況が描かれがちな脱北者の日常がリアルに描かれる。韓国のクァク・ウンミ監督のデビュー作。
地方発映画の「骨なし灯籠(とうろう)」は、熊本県の温泉街「山鹿」を舞台に、亡き妻の骨つぼを抱えてたどり着いた男をめぐる物語。これも、名古屋市出身の木庭撫子監督のデビュー作だ。
作品を選定した木全純治ディレクターが注目する作品は3作ある。ロシアのクリミア併合で練習場を失ったウクライナのパラリンピックチームを追った「プッシング・バウンダリー」▽内戦中のシリアで少女を通して避難を迫られる家族を描いた「ヌズーフ/魂、水、人々の移動」▽紛争関係にあるレバノンとイスラエルの女性2人が旅に出る「テルアビブ・ベイルート」。木全ディレクターは「国の大きな混乱で最も被害を受けるのは、弱い立場の人たち。そこに鋭い視線を向けている」と評する。
4年ぶりに海外からも女性監督や出演者が来場し、トークイベントも開かれる。シンポジウムは「日本に暮らす外国人たちを知っていますか?」をテーマに、社会問題を扱う作品を撮ってきた小澤雅人監督を招く。
上映スケジュールやチケット販売など詳細はサイト(https://www.aiwff.com/2023/)へ。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル