あじさい寺の1万株、切るべきか 密回避、住職は悩んだ

【動画】奈良・矢田寺のあじさい園公開中止 つぼみ刈り取る=浅田朋範撮影

 梅雨の時期を迎え、「あじさい寺」として全国から観光客が訪れる奈良県大和郡山市の矢田寺が、境内で開花を待つアジサイ約1万株のつぼみをすべて刈り取った。コロナ禍のなか、観光客が殺到するのを未然に防ごうと、昨年に続く苦渋の決断だった。今年も「切るべきか、切らざるべきか」。住職の心は揺れた。

 矢田寺は近鉄郡山駅から西へ約4キロ。山肌に沿って2万5千平方メートルほどの寺域が広がる。参道など境内のあちこちには約60種、全国有数の約1万株のアジサイが植えられている。

 例年6~7月に咲き誇り、「あじさい園」として公開している。新型コロナウイルスの感染拡大前には、関西を中心に首都圏をはじめ全国から毎年7万~8万人が訪れていた。

 4月に京阪神などに緊急事態宣言が出され、寺は5月15日から6月30日まで山門を閉じることを決めた。ただ、山門を閉じても参道以外に、ハイキングコースや地元住民の生活道路など地域に開かれた道が境内を複数走る。

 こうした道を抜けてアジサイ…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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