京都アニメーション(本社・京都府宇治市)の第1スタジオ(京都市伏見区)が放火され、36人が犠牲になった事件から18日で3年となった。京アニは、遺族やスタッフらから寄せられたメッセージを、追悼映像として動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開した。全文は次の通り。
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皆に会いたいと願い続けたこの3年間は、一瞬のようにも、永遠のようにも感じられます。
悲しみに負けてしまいそうになったとき、私たちをささえ、導いてくれたのは、仲間と過ごした日々、そして皆で語り合ったアニメーションへの想(おも)いでした。
大切な仲間に対し謹んで哀悼の意を表します。
3年目の追悼にあたり、故人のご家族さま、そしてアニメーションを共に制作してくださっている関係者からメッセージを頂きました。また、弊社スタッフからもメッセージが寄せられましたので、それらを匿名にてご紹介いたします。
「無理に乗り越えなくていいんですよね」
・ご家族さまより
「おはよう!」と笑顔の遺影に挨拶(あいさつ)をし、食事のときは「一緒に食べよう」と同じ物をお膳に並べ、一日の終(おわ)りには「おやすみ」と声をかけ、床に就く…3年前から私たちの日常になりました。
一時期、壁にぶつかっていたようだけれど、「もっともっとスキルアップしていきたい! できることから頑張る」と希望に向かって歩き出していた矢先、あなたも私たちも信じられない出来事でした。
あれから3年…あなたのことは時間が止まったままです。ふとしたときに、あなたのことだけで心がいっぱいになり「会いたい! 抱きしめたい!」と涙が溢(あふ)れてきます。
この悲しみに終りはなさそう…無理に乗り越えなくていいんですよね。あなたを想(おも)い、泣きたいときには泣き、きっと今は仲間と共にアニメ作りをしているのだと思い、いつでも側にいて見守ってくれていると思っています。
応援してくださっている皆さまに感謝いたします。
「煌々と輝く星のように、私たちの道を照らして」
・関係者より
心から哀悼の誠を捧げます。
あの言葉にさえできない事件から3年が過ぎます。
幾日が過ぎようと皆さんは共にあります。
私たちの仕事は「誰かにとっての宝物」を創ることができる素敵な仕事です。
皆さんが大切に創り上げたアニメーションは、今日も世界中の誰かを笑わせたり、心を震わせたり、背中を押したりしています。
そして、それはこれから先の作品でも同じです。
心を寄せ合い、切磋琢磨(せっさたくま)し、皆さんの志を繋(つな)いだ作品たちは、きっと明日の「誰かの大切な宝物」になってくれるはずです。
今でも皆さんは、ものづくりの仲間として、共にいてくれています。
こんなにも心強いことはありません。
皆さんの志は、煌々(こうこう)と輝く星のように、私たちの道を照らしてくれます。
その道を、私たちはこれからも、真っ直(す)ぐに歩いていきます。
「あなたを決して忘れません」
・スタッフより
あなたは、私が困ったときにいつも勇気をくれました。
芯が強く、仕事に向かう姿を見ているだけで、自分も頑張ろうと何度も励まされました。
普段は物静かなのに、作品の話になると、
あの作品のこういう所が面白かった。
今度はこういう作品を作ってやるぞ。
と熱く話す姿に、普段とのギャップに驚きつつ、
一緒に話す時間が本当に面白かったです。
あなたとの日々のおかげで今の私がいます。
私はあなたを決して忘れません。
これからも、迷ったときは相談させていただくと思います。
どうか見守っていてください。
平素より弊社を応援いただいている皆さまに、深く御礼申し上げます。
アニメーションの持つ力を信じ、これからも皆で作品をつくり続けてまいります。
何卒(なにとぞ)よろしくお願い申し上げます。
2022年7月18日 株式会社京都アニメーション
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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