あのとき認識できなかった性被害、20年が過ぎ 日本版DBSに思う

 あれは性被害だったのだ――。

 石田郁子さん(46)がそう自覚できたときには、20年以上の月日が過ぎていた。

 1993年。当時、石田さんは札幌市内の中学に通う3年生だった。

 中学校の卒業式の前日。当時28歳だった美術教員の男性から、美術館に誘われた。以前から、受験のため、相談に乗ってもらっていた。

 美術館で腹痛を感じた。男性に伝えると、車で自宅アパートまで連れて行かれた。部屋で「好きだった」と伝えられ、キスをされた。

 高校に進学後も定期的に会い、キスされたり体を触られたり、性行為をさせられたりするようになった。

 関係は、大学2年まで続いた。

 交際や性的な経験がないなかで、信用していた先生からの言葉や行為――。「これは交際で、性的なことをするものだと思い込まされていた」。石田さんはそう振り返る。

 当時は幼すぎて抱くことができなかった「違和感」は、大人になるに連れて膨らんだ。

 大学で教育実習をしたとき…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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