東京五輪・パラリンピックの会場として世界のアスリートを迎える、新しい国立競技場。年末に開かれたオープニングイベントの光景に、1964年東京五輪で組織委員会の国旗担当専門職員を務め、今大会にも携わる吹浦忠正さん(78)はある記憶を重ねた。64年大会の秘話とともに語られる、この地で刻まれた祝祭ばかりではない歴史、そして今大会への願いとは。
国旗はどこに?
半年後、ここでどんなドラマが繰り広げられ、観客はどんな記憶をとどめるのだろうか――。大きな木と金属の柱に囲まれた新しい国立競技場に向かう群衆の中で、そんな思いが浮かんできた。
東京・神宮の森に58年に完成し、64年五輪の主会場となった国立霞ケ丘競技場・陸上競技場。日本のスポーツの「聖地」として数々の歴史を刻んだスタジアムは取り壊され、建築家の隈研吾さん設計による新競技場に生まれ変わった。
12月21日に開かれたオープニングセレモニーを、今大会でも組織委の国旗アドバイザーとして携わる吹浦さんと観覧した。64年大会では、豊富な国旗の知識を生かして組織委の国旗担当職員を務め、NHK大河ドラマ「いだてん」では俳優の須藤蓮(れん)さんが演じた人物だ。72年の札幌、98年の長野の両冬季五輪も顧問などとして関わった。
競技場の前でチケットを確認さ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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