あの時、安倍氏はガードレールが囲む「中州」に 内側からの目撃証言

 奈良市の近鉄・大和(やまと)西大寺(さいだいじ)駅北口にある台形の「中州」。まるで檻(おり)のように、四方をガードレールで囲まれた独特の形状で、四隅からしか出られない。1週間前、安倍晋三元首相(67)が標的とされ、銃撃されたのは、この中で街頭演説をしていた時のことだった。

 ガードレール内には、議員や首長らもいた。その目撃証言から、白昼に凶弾が放たれた当時の緊迫した状況が浮かび上がった。

 8日午前11時20分ごろ。大国(おおくに)正博・公明党奈良県本部代表が、参院選奈良選挙区に自民党から立候補していた佐藤啓氏の応援演説中、ひときわ大きな拍手がわいた。元首相が車で到着し、ガードレールの中へ。大国氏が演説台を降りると、グータッチで迎えられた。直接、話したことはなかったが「ニコッとほほ笑まはって、優しい人なんやなと思った」。

 同30分ごろ、元首相が壇上へ上がり、マイクを握った。「皆さん、こんにちは。安倍晋三でございます」。左手を振り上げ、佐藤氏の人柄や経歴を語り始めた。「彼はできない理由を考えるのではなく……」と口にしたところで、「ダーン」という音が響いた。

乾いた音、ゆっくりうずくまる首相

 「聞いたことがない、乾いた…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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