おぬしはサンタクロースか、とつっこみたくなる。ふらりと家に現れてはすぐに姿を消す。「サンタ黒須(くろす)」は、見られてはいけないのだ。特に、あの人には――。
3月1日のカムカムエヴリバディは、算太(濱田岳)がひなた(川栄李奈)たちの商店街へ。食通のモモケン(尾上菊之助)をうならせる大月の回転焼きに興味を持ったのだった。
るいの姿に
算太とひなたは、互いに身内と知らないまま商店街を歩く。ついに大月家の前に着いた時、決定的な出来事が起こる。
「るい」
錠一郎(オダギリジョー)に呼ばれて返事をしたその人(深津絵里)を見て、算太は気づいてしまう。
「るい……」
妹安子(上白石萌音)の娘。自分が運命を狂わせてしまった人。
何も知らないひなたは言う。「お母ちゃん。このおっちゃんに回転焼き焼いたげて」
「どのおっちゃん?」(るい)。
ひなたが振り返ると、もう算太はどこにもいない。ひなたたちの前から姿を消したのだった。
算太がどこかへ行ってしまうのは初めてではない。
戦争が終わってもすぐには戻らず、ふらりと帰ってきては安子の貯金を持って行方をくらました。二度あることはサン度あるというべきか。またも算太らしい展開になってしまった。
るいを見た算太はどんなことを感じたのか。算太がひなたに語っていた、妹安子への思いとは。記事後半で。
岡山時代、算太は一時雉真(…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル