いじめ訴訟、防衛大側の責任認めず　「予見可能性ない」

　防衛大学校（防大、神奈川県横須賀市）在籍中に上級生や同級生から暴行や嫌がらせを受けたとして、福岡県内の２０代の男性が防大を設置する国に約２３００万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が３日、福岡地裁であった。足立正佳裁判長は、防大の安全配慮義務違反を認めず、男性の請求を棄却した。

　この問題をめぐっては、男性が２０１６年３月、上級生や同級生だった８人と国に損害賠償を求めて福岡地裁に提訴。地裁は今年２月、７人に計９５万円の支払いを命じ、判決が確定した。判決によると、男性は入学以降、上級生らに顔を殴られたり、アルコールを吹きかけられ体毛に火を付けられたりした。国相手の訴訟は分離していた。

　この日の判決は暴行や嫌がらせのほか、直後に教官が部屋に見回りに来たことも認めたが「具体的な状況を考えると、教官が予見、回避できる可能性は認められない」と結論づけた。

　ただ、原告側は男性の母親が暴…

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