うその債権で現金だまし取った疑い 大和証券元社員逮捕

 うその債権の売買代金名目で現金をだまし取ったとして、神奈川県警は4日、大和証券元支店長の会社役員杉本道秀容疑者(61)=東京都立川市=ら2人を詐欺容疑で逮捕し、発表した。県警は認否を明らかにしていない。

 県警によると、杉本容疑者は自称無職峯野康裕容疑者(55)=東京都港区=と共謀して2018年5月、杉本容疑者が代表を務める会社が他社に対する債権を持っているように装い、千葉県の債権買い取り業者の役員から、債権の売買代金名目で、1780万円をだまし取った疑いがある。

 県警には「杉本容疑者に『高配当』と言われ出資したが、配当が支払われず返金もされない」との相談が寄せられ、金融商品取引法違反容疑で関係先を家宅捜索するなど捜査している。

 杉本容疑者は逮捕前の朝日新聞の取材に「大和証券元支店長」を名乗り高利回りをうたって百数十人から15億円以上を集めたが、配当が一部で滞ったと説明。「破綻(はたん)しないとギリギリまで思っていた」と述べ、逮捕容疑となった現金のやりとりについて「誰かの配当に回した」と話していた。

 大和証券は逮捕前の朝日新聞の取材に「過去に弊社に在籍していたのは事実。社員の個人情報や退職理由をコメントすることは差し控える」としている。(林瞬、林知聡)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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