兵庫県の井戸敏三知事は14日、新型コロナウイルスの感染対策として呼びかけた「うちわ会食」をめぐり、予定していたうちわ32万本の飲食店への配布を見合わせると明らかにした。神戸市が「うちわを使っての食事が安全だと誤解されかねない」などとして、配布中止を申し入れていた。
井戸知事は14日、報道陣の取材に「お店に配るのは、どんな使われ方をするのかわからず、行き過ぎだった。配ると(うちわの)使い回しもあるという意見はごもっともで、中止させていただく」と述べ、方針を撤回した。「マスク(会食)とは言っても実際は行われておらず、うちわとか飛沫感染を防ぐ対策があってもいいのではないかという提案をしただけ」と話した。
井戸知事は9日の会見で、会食中に口元を覆って飛沫(ひまつ)感染を防いでほしいとして、「うちわ会食」を県民に呼びかけた。これを受けて県は、まん延防止等重点措置の対象となった神戸、尼崎、西宮、芦屋の4市の飲食店1万6千店に、15日から約20本ずつ配る予定をしていた。
県は配布用のうちわの製作はまだ始まっていないとしている。井戸知事は「これから暑くなるので、若者への啓発資材としての活用を検討したい」とも述べた。
一方、神戸市の花田裕之健康局長は14日、うちわ会食の効果について「うちわを持っていても飛沫が横に抜ける」「うちわに飛沫が付着し、きちんと管理しないとうちわ自体が危険」などと述べた。(武田遼、鈴木春香)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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