拡大する「うどんのうーやん」(ブロンズ新社)
人手が足りないうどん屋さん。よし、それならと、うどんがみずから出前に出かけて……。岡田よしたかさん作の「うどんのうーやん」は、シュールな設定と、目鼻がないのに表情豊かな主人公が子どもたちに大受けしています。奇想天外な物語が生まれたいきさつを、岡田さんに語ってもらいました。
「うどんのうーやん」(ブロンズ新社、2012年、累計12万部)
自分で出前に出かけたうどんのうーやん。道を走っていると、からからのメザシやふにゃふにゃの絹ごしどうふと出会います。やさしくてふとっぱらなうーやんは、どんどん自分のどんぶりに乗っけて……。
タコをくねらせ出てきた「人格」
話を考えるときに、読み手のことは考えてないんです。自分がおもしろいと思うのが大前提で、同じように感じてくれた人がいたらな、くらい。もちろん、笑かすつもりで描いてるから、子どもたちに受けたのは、まあ狙い通りかな。ただ、「分かってくれる人はおるとしても、そんなにはおらんやろ」と思っていたから、こない広く受け入れられて、こそばゆいようなところはあります。
拡大するおかだ・よしたか 1956年、大阪府生まれ。愛知県立芸術大学で油絵を専攻。保育所に勤めながら画家として活動し、絵本作家としては2001年に「おーいペンギンさーん」(福音館書店)でデビュー。写真はブロンズ新社提供
もともと絵描きをしていて、食べ物を描くようになったのは2005年ごろです。
一つひとつのモチーフは写実…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル