えんぴつ画家の執念、市を動かす 宇部大空襲の追悼碑立つ

 300人を超える死者・行方不明者を出した山口県の宇部大空襲の追悼碑をこの夏、宇部市が建立した。同市のえんぴつ画家、岡本正和さん(70)と空襲を記録した標柱との縁がきっかけになった。

 市役所の目と鼻の先。真締川にかかる新川橋のたもと(新天町1丁目)に、「宇部大空襲追悼碑」が7月に完成した。「計8回にわたる被害状況 死亡者254人 行方不明者68人 負傷者557人」と刻まれている。

 碑は高さ1・2メートルのステンレス製。その横に「宇部大空襲~平和を未来に~」と題した説明板も設置された。8回に及ぶ空襲が1945年4月26日に始まったこと。7月2日の3回目が最も被害が大きく、約100機のB29が1時間42分にわたって焼夷(しょうい)弾を投下したことなどを記し、空襲後の市街地の写真も掲示した。

 74回目の終戦の日が近づいた2019年8月。岡本さんは当時の市役所近くにあった「宇部大空襲のあとを残す焼夷弾の芯」という高さ約1・5メートルの木製標柱を見に行った。周囲は草だらけで、説明板に「ポイ捨て禁止」の看板が立てかけられていた。

 標柱と説明板は市が作ったも…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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