おごる?おごられる? ジェンダーバイアスが生む呪い

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聞き手・富岡万葉

 男は経済力、女は年齢と見た目――。助産師性教育ユーチューバーのシオリーヌさん(29)は、こうした性差に関する固定観念から抜け出して対等なパートナーシップを求める人向けのマッチングコミュニティーを作りました。恋愛の場面で感じる「女らしさ」や「男らしさ」への違和感を読み解き、自分の考えを伝えるコツを自身の体験も交え、語ってくれました。

「モテテク」に「女子力」?

 世の中には「男の人にはこんな女性がモテる」というイメージがあるじゃないですか。高校時代に読んでいたティーン向けの雑誌では「モテテク(モテるためのテクニック)」が紹介されていた。「お裁縫セットを持ち歩く」「お弁当を作る」とか書いてあって、できないといけないんだと思っていましたね。

 実家にもジェンダーバイアスがありました。三つ上の兄が台所の近くにいても、自室にいる私がご飯作りの手伝いに呼ばれる。お兄ちゃんは座ってて、なぜ私だけ家事をやらないといけないのかと疑問でした。

 子どもは家庭で大人の振る舞いを自然にキャッチして学んでいきます。その重みを多くの人に理解してもらいたいですね。

 ユーチューブで最近、ジェンダーバイアスや性体験に悩む高校生が主人公の「性教育ドラマ」を公開しました。若い世代が安心して相談できる姿勢を大人が考えるきっかけになるようなシーンも採り入れています。

 大学生の頃には「女子力」を意識して、自分にプレッシャーをかけていました。「女子力が低い」ことを引け目に感じて自虐的になりながら、友だちの家で集まる飲み会では、おつまみをせっせと手作りしていた。

 いま思えば、私は私の好きにすればよかった。「女らしさ」や「男らしさ」というジェンダーバイアスは選択肢を狭めます。私はこうありたい。そんな自分がいい、と言えるようになると心が軽くなる。私自身は今は、仕事に一生懸命で、自信を持って「家事が嫌い」と言えます。家事の負担を減らすために、ロボット掃除機や食洗機も活用します。

最初のデート どっちが払う?

 最近は違和感を口に出せる雰…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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