「まあるくおさめまっせ」のあの人は、実際はどんな芸人だったのか。8月に亡くなった笑福亭仁鶴さんをよく知る芸人仲間が、思い出を語った。
仁鶴師匠には50年ほどお世話になりました。「おっしゃん」と呼ばしてもらってました。お師匠さんという意味です。
どんどん売れっ子になっていく様子を、ずっとそばで見てました。大阪万博に営業で行くと、パビリオンより人気あるんです。笑いの取り方も普通やなかった。テンポよく爆笑をとって、引け際よくパーンとオチつける。(芸人だからすごさが分かる分)寒気がして、笑えなかった。
酒の席の営業でもそうでした。キャバレーで女の子口説いてる客なんて、どないして笑わせるねんって話。それでも、心つかむんです。今の芸人はそんなんようやらんのんちゃうかな。
静けさで人を呼ぶ
爆笑の中心にいるのに、普段は静かでした。にぎやかじゃないんです。静けさで人を呼ぶ。舞台袖でパイプ椅子に座り、出番を待ってる姿がかっこよくて。独りたたずむ後ろ姿が絵になる人でした。
何やろな。あの味は。時代とか生い立ちがそうさせたのかな。お母さんを早くに亡くして、苦労して大きくなったから。
お父さんは、おっしゃんそっくりの風貌(ふうぼう)で。お会いした時、お父さんにサインを頼まれましてね。色紙にいっぱい書いた。どこに持っていくのかと聞くと、「飛田(新地)や!」って。面白いお父さんでした。おっしゃんは、よう大事にしてましたよ。親孝行でした。
こっち関係(女性関係)は全…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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