東京都港区の「麻布十番」は、不思議な街だ。六本木や東京タワーにも近い都心の一等地にありながら、下町情緒も共存して活気づく。歩いて、その「源泉」を探った。
大江戸線と南北線が通る麻布十番駅を降り、長いエスカレーターを上ると、麻布十番商店街が目の前に現れる。
おしゃれなコーヒーショップやベーカリーが並んでいるかと思えば、その隣では昔ながらのそば屋や和菓子店もにぎわいを見せていた。客層も老若男女さまざまだ。周辺には大使館が多く、外国人の姿も目立つ。
商店街の一角には、「たい焼き」の元祖とされるお店がある。1909年創業の「浪花家総本店」だ。
年季の入った赤いのれんをくぐると、甘いにおいが漂ってきた。さっそく1個買って、食べてみた。パリッとした薄皮の中に、北海道・十勝産の小豆がぎっしり。伝統の製法で、保存料などは一切使っていないという。
「最近はあんこが苦手な方も…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル