戸村登
愛知県田原市田原町にある市天然記念物・藤七原(とうしちばら)湿地植物群落で、愛知、岐阜、三重県の伊勢湾周辺のごく限られた場所に自生するシデコブシの花が、見ごろを迎えている。市教育委員会文化財課によると、4月初旬ごろまで楽しめるという。
シデコブシはモクレン科の落葉樹で、環境省のレッドリストで準絶滅危惧種に指定されている。同課によると、市内にはシデコブシが自生し、国や県、市が天然記念物に指定している群落が4カ所ある。その中でも、藤七原湿地には市内最大の約300株が自生しているという。
同湿地には木道が設けられており、白やピンク色のかれんな花を眺めて楽しめる。
市博物館の木村洋介学芸員(44)は、「天然記念物に指定された群落が4カ所もあるのは珍しいのではないか。渥美半島には開発にさらされなかった湿地が比較的多く残り、シデコブシの自生地が温存されたのだろう」と話している。問い合わせ先は市教委文化財課(0531・22・1720)。(戸村登)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル