かんぽの契約者情報横流し 収賄容疑で元郵便局員ら逮捕

 かんぽ生命保険の契約者の個人情報を提供した見返りに商品券などを受け取ったとして鹿児島県警は31日、元鹿児島中央郵便局員の吉崎翔太容疑者(32)=鹿児島市唐湊1丁目=を日本郵便株式会社法違反(収賄)の疑いで逮捕し、発表した。

 捜査2課と鹿児島西署などによると、吉崎容疑者は同局の金融の営業を担当する課長代理だった2019年10月ごろから20年2月ごろの間、複数の生保契約者の名前や住所、契約内容などの個人情報を端末から引き出して保険代理店側に提供。見返りに商品券と旅行券を計62万円分受け取った疑い。「小遣いがほしかった」と容疑を認めている。

 県警はまた、鹿児島市の保険代理店「コネクト」の役員、福元崇容疑者(33)=同市宇宿3丁目=と大井貴弘容疑者(34)=同市郡元2丁目=を同法違反(贈賄)の疑いで逮捕した。吉崎容疑者と共謀した疑いで同市の契約社員の男性(27)も任意で調べている。

 福元、大井両容疑者は「生命保険の新規の契約者を得るため」と容疑を認めている。いずれも日本郵政の元社員で、提供された個人情報をもとに保険の契約が成立したケースが複数あったという。

 日本郵便九州支社は31日、社内調査で吉崎容疑者が不正を認めたことから、昨年12月に懲戒解雇していたと発表した。19年11月に顧客から鹿児島中央郵便局に「局員と民間の生保社員が一緒に訪問してきた」と指摘があり、発覚したという。(奥村智司)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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