石川県珠洲市宝立町の鵜飼地区にある温泉銭湯「宝湯」は明治の中ごろから地域の社交場として愛されてきた。地区は能登半島地震の激しい揺れと津波で大きな被害を受け、銭湯も全壊。失意の経営者ががれきになった建物の下で見つけたのは、「一筋」の希望だった。
宝湯は海岸から約200メートル離れた街道沿いに立っていた。元日、経営者の橋元宗太郎さん(40)は裏手にある自宅におり、「地球が割れるか」と思うくらいの揺れに驚いて飛び出した。音を立てながら崩れ落ちる銭湯が目に入った。
「その時は妻の実家にいた家…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル