がんをやっつける「第4の治療」 3千万円の新薬の課題

 3千万円を超す、高額の薬価が話題になった、がん治療薬・CAR(カー)―T細胞療法の製剤「キムリア」。昨年、公的医療保険が適用された。従来の治療がきかなくなった患者への新たな治療法として期待されるが、どのような効果や副作用があるのか。受けられる患者数が限られるといった課題もみえてきた。(大岩ゆり)

 長崎県の男性会社員(60)は、公的医療保険が適用される前の2018年2月、ノバルティス社が治療効果を確認するためにしていた臨床試験(治験)の一環として、九州大学病院でキムリアの治療を受けた。

 地元の病院で、16年11月に悪性リンパ腫の一種と診断され抗がん剤治療を半年続けた。通常の6倍量の抗がん剤も使った後に、自分の血液から採取した血液の元になる細胞を体内に戻す「造血幹細胞移植」も受けた。放射線治療は25回。それでも、がん細胞は消えなかった。キムリアの治験を知り17年10月、九州大病院を受診。加藤光次・診療准教授(血液内科)から「承認前で効果は不明。効いても、重い副作用が出る可能性もあります」と言われたが迷わず参加を希望した。

 キムリアは、手術や抗がん剤、…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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