岐阜市が市民向けに実施しているがん検診で、2017年から今年にかけて50~70歳代の女性5人に誤った結果を通知していたことがわかった。「要精密検査」「要注意」と知らせるべきだったのに、いずれも「異常認めず」と通知していた。「要精密検査」だったのに「異常認めず」とされた50代女性1人が胃がんで死亡したといい、市は「がんの発見が遅れ、転移した可能性も否定できない」としている。
市健康増進課によると、誤りがあったのは17年7月~今年2月に実施した乳がん、胃がん、肺がん検診の結果通知。委託先の検診機関から市の中市民健康センターに結果が届き、システムに入力して通知する仕組みだが、職員が入力を誤ったという。マニュアルには職員が2人で読み合わせをして確認することになっていたが、中市民健康センターは職員が1人で確認していた。入力を誤ったことで、医師の所見や判定などを図入りで示した検診票も、女性らの手元に届かなかったという。
今月10日、がん治療中の女性の家族から問い合わせを受けてミスが発覚。データが保存されている過去5年分、延べ約16万人分の通知を再点検したところ、ほかに4人のミスがわかったという。市は16日に会見し、「関係者に大変なご心配とご迷惑をおかけし、市民の信頼を損なったことを深くおわび申し上げます」と陳謝した。誤った結果を送った本人や家族に直接面会して謝罪したという。
がん検診の結果通知は、中市民健康センターのほか2カ所の市民健康センター、市健康増進課が発送していたが、他の施設では職員2人が読み合わせをしてミスはなかったという。市は今後、職員2人による読み合わせを徹底し、通知の発送前に上司も確認するとしている。(高木文子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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