450リットルの巨大な樽(たる)の中に、オークを削ったチップをスコップで入れる。一呼吸置いて、天井に届きそうな勢いで炎が噴き出した。
有明産業(本社・京都市)は、酒の貯蔵や熟成に使われる木製の洋樽メーカー。宮崎県都農(つの)町にある工場で、主に焼酎やウイスキー向けに年間約4千個を製造している。
樽の中で熟成させることで酒の味がまろやかになり、木の香りが移る。樽の内側を焦がす「チャーリング」の工程は香りを強めるために欠かせない。小田原伸行社長(43)は「樽を売るのではなく、樽を通しての味わいを売る、というつもりでやっています」と話す。(諫山卓弥)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル