これは何? コロナ禍の今、46年前の置物がつなぐ日英

 これはなんだろう。

 愛知県瀬戸市の元NHKディレクター中村儀朋さん(70)は、市内の倉庫で一風変わったノベルティー(陶磁製置物)を見つけた。病気の子どもを囲む大人たちの暗い色調の、しかし手の込んだ精巧な造りなのだ。

 ノベルティーは、かつて同市の花形輸出製品だった。大正時代から1970年代にかけて栄えた。最盛期はおよそ300社があったが、いまは数社だけ。9割が輸出され、欧米で高く評価されたが、地元で知る人は多くない。

 中村さんは、愛好家らで2008年に結成した瀬戸ノベルティ文化保存研究会の代表。今年3月、床板がギシギシいう古い工場2階の見本倉庫でその暗い色調の置物を見つけた。数千もの作品が無造作に並ぶ奥の棚に置いてあった。

 幅約30センチ、奥行き約20センチ、高さ約20センチの大型作品。貧しい民家に横たわる子ども、泣く母、その肩に手をやる父、考え込む医師の姿が表現されている。顔のしわ、床のくずまで再現している。ドレスの貴婦人、可愛い映画スターといった他の作品群と明らかに異なる造形だ。

 台座に記された「THE DO…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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