新型コロナウイルスの感染拡大で医療用の物資が不足する中、東京都府中市の榊原記念病院がホームページ上で、ごみ袋から防護服をつくる方法を動画などで紹介している。考案したのは「発明家」の顔も持つ看護師。「最前線の医療現場の問題を少しでも解決したい」との思いが広がり、各地で反響が相次いでいる。
医療現場では手術などで防護服を使っているが、感染拡大とともに各地で不足し、同病院でも3月以降は業者から届く量が激減。今月中に在庫が無くなる見通しの部署もあるという。副看護師長の村田詩子(うたこ)さん(45)は医師から頼まれ、看護師仲間と一緒に、余った不織布で防護服を作成。さらに、身近なものでたくさん作れないかと考えるなかで、ごみ袋を活用することにした。
作り方はシンプルだ。用意するのは、45リットルのごみ袋2枚に、はさみと粘着テープ。切り込みは直線だけで、2カ所を折りたたみ、4カ所をテープで留める。3分ほどの工程で、上半身用の袖口や下半身用の腰ひもまでできる。「見た瞬間に『ちょっと作ってみよう』と思えるように」と単純な作り方にしたという。
感染を防ぐ防護服はトイレに行くたびに替える必要があり、節約しようと勤務中に水分補給を控える医師もいる。同病院の医師から「着心地も良く、脱ぎやすい」と推す声があがり、感染疑いのある患者の搬送の際に使われたという。
村田さんは大阪府出身。2000年に長女を出産したときの経験をもとに、肌が露出しない授乳服を発明。1千点以上売れるヒット商品となり、ほかにも医療グッズなどを次々と考案してきた。
「私の発明で人の命は直接は救えないけど、『困った』を解決することはできる」と村田さん。看護師や事務職員らが空いた時間に防護服を作っており、磯部光章院長(67)も「とても頼もしく、勇気をもらっている」と話す。
4月20日に同病院のホームペ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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