国内航空業界最大手の全日空(ANA)の紙製の「時刻表」が、12月・1月号で66年の歴史に幕を閉じる。スマートフォンなどの普及で需要が減ったことや、新型コロナウイルス禍が背景にあるという。
「入社したとき、『会社の大事なカタログ』と教わった。旅の思い出とともに保管している方や、社内でも活用している人も多く、勇気がいる決断だった」。時刻表のオンライン化プロジェクトを担当するマーケティング室の木下さおりさん(36)は、発行停止をこう語る。
発行が始まったのは、ANAの前身の「日本ヘリコプター輸送」当時の1954年2月から。「東京発13時30分、大阪着16時」と「大阪発17時、東京着19時15分」の1往復のみで片道運賃4500円と記されていた。発行形態やサイズは時代とともに変遷しながら、現在はほぼ2カ月ごとに年6回発行。2006~14年に紙の時刻表に携わった同室の角(かく)正弥さん(43)は「どうすれば手に取ってもらえ、情報を伝えられるかを考えてきた」という。
しかしデジタル化の波は急速に進む。木下さんらが19年8月にアンケートすると、どの世代の顧客もネットで搭乗便を調べており、旅行会社も「ダイヤが変わることがある」との理由であまり使っていないことがわかった。
そこへ新型コロナウイルス禍が…
2種類
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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