さらば町のブドーパン、愛され続けて70年「残念」「悲しすぎる」

 漫画家・水木しげるさんの出身地で「さかなと鬼太郎のまち」を掲げる鳥取県境港市のご当地菓子パン「ブドーパン」が約70年の歴史に幕を下ろす。製造する伯雲(はくうん)軒(境港市末広町)が3月に廃業するためだ。親しんできた市民からは惜しむ声があがり、スーパーでは品薄状態になっている。

 ブドーパンはレーズン入りの生地にバタークリームを挟んだパン。ふかふかでシナモンが香る生地に、ラム酒入りの自家製クリームがマッチする。

 伯雲軒は妖怪のブロンズ像が並ぶ「水木しげるロード」近くの路地にたたずむ。1897(明治30)年、菓子製造業を始めた。店名は1916(大正5)年、伯耆(ほうき)国(鳥取県)に出雲国(島根県)から移転してきたことにちなむ。戦後、配給パンを製造したことを機に製パン業となった。

 4代目社長の山本敏則さん(65)によると、ブドーパンは約70年前、戦後のパンが売れない時代に先代が考案したという。かつては幼稚園で給食に採用されたこともあり、境港市民のソウルフードとして親しまれている。

■自分も育ってきた…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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