コマーシャル(CM)ソングは、商品を売り込むために印象的なフレーズや曲調で短時間にインパクトを残さなければならない。
杜若(かきつばた)清司(きよし)さん(53)は、「チョーヤ梅酒」など数々の作品を世に送り出してきたCM作曲家だ。愛知県や岐阜県で耳にする作品も多い。CM曲はどうやって生み出されるのだろうか。
♪昨日ぼったくられました~ まだこんな店があるなんて~ あぁ~ぼったくり~♪
東海地方随一の歓楽街・名古屋市中区錦3丁目(錦三)の大型ビジョンから、ムーディーな音が流れる。
愛知県警が2017年に「県ぼったくり防止条例」の広報用に制作したCMだ。錦三で1日に数十回放映されている。
CMは約20秒で、哀愁漂うメロディーと繰り返される「あぁ~ぼったくり~」が耳に残る。錦三で働く20代の男性は「いつも流れているので、自然と覚えた。つい口ずさんでしまう」。
杜若さんが作詞作曲をした。京都市出身。小さい頃から音楽が好きで、ピアノやドラム、ギターなどを独学で学び、スタジオミュージシャンとしても活動した。
27歳でCM制作会社に入社すると、音楽経験をいかして、翌年にペット食品「ゴン太のササミジャーキー」(マルカン)のCM曲を制作。「ゴンゴンゴン太のササミジャーキー」というキャッチーなフレーズが評判を呼び、その後「サトウのごはん」(サトウ食品)なども手がけた。
最大のヒット作は「チョーヤ梅酒」のシリーズだ。
♪さーらりとした、梅酒~♪…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル