すべての市町村から肉眼で天の川が見える「星取県」 星空守る条例も

 鳥取県は「星取県」になりました――。2022年春に鳥取に赴任した記者は、こんなキャッチフレーズを耳にした。星空が日本一きれいに見えることをアピールしているらしい。過去に知事が「スタバ(スターバックスコーヒー)はないけど砂場(鳥取砂丘)はある」と発言するなど、ダジャレが好きな県だなあと思いつつ、「星取県」にふさわしいのか探ってみた。

 冷たい風が身にしみる22年11月中旬の夜。県中部の三朝(みささ)温泉(三朝町)を訪ねた。建物の屋上では宿泊客8人が夜空を見上げる。三朝温泉観光協会の職員が、天体望遠鏡も使って土星の輪や木星のしま模様を解説していた。

 広島県から家族3人で訪れた男性(63)は「ホテルで知って参加しました。思い出に残ります」と星空を堪能していた。

 観光協会が18年に始めた「スターウォッチング」。1人400円で星の観察ができる。この日は雲が少しあったが、晴れれば星が本当によく見えるという。

 県は17年に「星取県」を名乗るようになり、星の見えやすさをPRするようになった。

 根拠はあった。県によると、全19市町村で肉眼で天の川が見えるという。環境省の全国星空継続観察では、鳥取市佐治町の公開天文台「さじアストロパーク」は、過去10回以上、星の見えやすさ日本一になっている。

 なぜ星がきれいに見えるのか…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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