行方不明になっていた男性(83)を保護したとして、奈良署は29日、奈良市の青木慶子さん(75)に感謝状を贈った。勇気を出して取った行動が、人命保護につながった。
今月2日午前7時20分ごろ。青木さんは同市内の住宅街で、雨が降っているのに傘も差さずに自転車を押す男性を見かけた。声をかけるか一瞬悩んだが、思い切って「どうされましたか?」と尋ねてみた。すると男性は「家に帰っている」。家の場所を聞くと、道のりにして5キロ以上離れた場所だった。
この日の奈良市内は大雨。男性はずぶぬれになっており、あきらかに変だ。青木さんは、自宅の電話番号を尋ねた。電話をかけると男性の妻が応じ、男性が行方不明になっていることを知った。自宅で男性を保護し、妻が近くに迎えに来るまで、安全を確保した。
署によると、家族は男性には認知症のような症状が見られると話しており、前日夜に出かけたまま、帰ってこなかったという。不安に思った家族が交番に相談しに来ていた。感謝状を手渡した小畑浩康署長は、「発見が1時間遅れたら、人命に関わっていたかもしれない。みなさんの見守りが地域の安全につながる」と話した。青木さんは「知らない人に声をかけるのはためらったが、ご家族と連絡ができて良かった」と振り返った。
県警によると、昨年1年間に…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル