杉山あかり
川遊び中におぼれた小学低学年の女児を助けたとして、福岡県大野城市の下川弘喜さん(69)に7月30日、春日・大野城・那珂川消防組合消防本部から感謝状が渡された。下川さんは元警察官。水難救助の経験はなかったが、素早く川に入って幼い命を救った。
7月10日午後4時ごろ、下川さんは買い物に行く途中だった。同市牛頸2丁目の河川近くの駐車場に車をとめようとすると、川の方向から髪の毛までずぶぬれの小学生の女児が泣きそうな表情で近づいてきた。
「何かあったに違いない」。川へ向かいながら話を聞くと「助けて下さい。友達が溺れています」。
浅瀬に見えたが、入ると胸まで水につかった。「どこにいるの?」。声をかけながら進むと「助けて」とかぼそい声が聞こえ、浮いたり沈んだりしている女児が見えた。両手で抱きかかえ川岸に上がると、女児は安心したように泣き出したという。女児は2人の友人と川遊び中に溺れたとみられ、けがはなかった。
表彰式には、春日署の岡村成生署長らが出席。同消防本部の吉光和彦消防長は「勇気ある行動で貴い命を救うことができた」。下川さんは「助けなければという一心だった」と話した。(杉山あかり)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment