自民党や立憲民主党、共産党、公明党など各政党には「青年局」という組織があり、「おおむね45歳以下」の議員らが精力的に活動を展開しています。
実際にどのようなことを行っているのか? いま大注目の若手政治家、立憲民主党の中谷一馬(なかたに・かずま)青年局長と自民党の小林史明(こばやし・ふみあき)青年局長に聞きました。
デジタル化で 全国の議員と課題を共有
自民党の青年局は、国会議員45名、地方議員1321名で、全国の党員の45歳以下のメンバーは、なんと22万人。歴代青年局長には、竹下登氏、宇野宗佑氏、海部俊樹氏、安倍晋三氏、麻生太郎氏の総理大臣経験者5人も名を連ねます。その50代目の青年局長を務めるのは、小林史明・衆議院議員です。
選コム「自民党青年局で新しく取り組まれていることはありますか?」
小林史明・衆議院議員(以下、小林氏)「青年局では専用のイントラサイトを導入して、組織をデジタル化しています。全国に共通する課題で、地方議会ですぐに質問できるものについて質問文案を提供するなど、リアルタイムに情報を共有して、スピーディな意思決定、問題解決に役立っています」
選コム「全国に共通する課題は、具体的にはどのようなものでしょうか?」
小林氏「たとえば、今、学校のICT化で一人1台のタブレット端末の支給を促していますが、文科省で用意したその予算が学校のトイレ改修など別のことに使われていたり、放課後の学童の職員の処遇改善についても国で制度をつくり予算が付いていても自治体では実施されていない、というようなものです。これらは実際にイントラで共有され、実際の議会で12件質問されました」
選コム「なるほど、それはとても合理的で良いですね。ほかには青年局ではどのような活動を?」
小林氏「災害に遭った地域を実際に訪問して土砂をかき出すなどのボランティアをする『TEAM-11(チーム・イレブン)』の活動も行っています。例えば下水処理のシステムの重要な電源が建物1階にあって、浸水で下水処理が止まってしまう、といった重要な問題が、実際に現場に行ってみるとはじめてわかるんです。これも全国で共通する問題なので、ほかのメンバーとも共有します」
選コム「そうした細かな部分は、現地に行ってみないとわからないですね」
小林氏「はい。それと、被災者の方が土砂のかき出し作業をする際などに、『子どもを預かってほしい』という要望は多いのです。そのような要望に対し、民間事業者が善意で避難所にベビーシッターの派遣を自治体に提案した場合、そうした事例がないと受け止めてもらえないこともあります。
そこで、青年局のメンバーが、その地域でコーディネーターのような役割を担い、自治体とNPOや民間事業者などをつなぐ役割ができればと考えています。これまでのTEAM-11の活動で、そうした役割のモデル構築ができたので、今後、具体的な支援につなげていければと思います」
選コム「ほかに若い世代向けのイベントなどはされていますか?」
小林氏「全国の高校・大学や専門学校に足を運んで、学生さんたちと話をする『リアルユースプロジェクト』というのをやっています。毎年続けてきていて、これまでに全国153か所で実施しました」
選コム「実際に若い世代の話を聞いてみて、考えていたことと違う部分はありましたか?」
小林氏「将来への不安や、地域の課題への関心が非常に高いと感じました。それをどう解決していいか、具体的にどう行動していいかわからないという人が多いようです。青年局の全国の活動を通じて、政治が地域の課題を解決する存在なんだと伝えることができれば、若い世代の政治参加につながると考えています」
選コム「一つ一つの活動が、若い世代の具体的な行動に結びつくきかっけになると良いですね。きょうはありがとうございました」
各党の青年局はそれぞれに精力的に活動していますが、各党の青年局長が連絡を取り合い、超党派で一緒に活動を行っていこうという動きもあるそうです。選挙ドットコムでは今後も、それぞれの青年局の活動と、政党を超えた連携での新しい活動に注目していきたいと思います!
Source : 国内 – Yahoo!ニュース