この宿題の、どこに意味があるのだろう? そう思ったことはありませんか。意味のある宿題とはどんなものかを研究している東京学芸大特任講師の太田絵梨子さん(教育心理学)は、宿題の「量」だけでなく、「質」にも目を向けるべきだと問題提起します。
東京学芸大の太田絵梨子さんに聞く
――宿題のどんなところに課題を感じてきましたか。
大学生の頃に学習支援に携わり、宿題に苦労している子たちと向き合ってきましたが、宿題の中身を見ていて「そもそもこれでいいんだろうか」と疑問が湧きました。
ドリル形式の宿題では、答えを先生が持っていて、自分が解いた問題が合っているかどうかもわからず、後で振り返る時間もなく、「やりっ放し」になっていました。
宿題の目的は、その子自身が苦手なことを克服し、得意なことをのばすことだと思いますが、これはやったかいのない宿題の姿では、と思いました。
――「宿題不要論」も見かけることがあります。
国によっては、宿題を全て廃止すべきだという運動が保護者から起こることもあります。フランスでは、小学校で記述式の宿題を出すことが法律で禁止されています。
日本でも一時期、宿題代行サービスが問題になりました。文部科学省も注意喚起をしたようですが、裏を返せば、宿題をやることに意味がないと思っている保護者はそれだけ多いということですよね。
私も、意味のない宿題を出すぐらいなら、やめたほうがいいと思います。
――意味のある宿題とない宿題の差って、何でしょうか。
意味を理解しないままにひた…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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