日本への留学を希望するベトナム人から、実在しない日本語学校の入学金名目で現金をだまし取ったなどとして、警視庁は20日、中国籍の会社役員趙清龍容疑者(36)=東京都豊島区東池袋3丁目=を詐欺と組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等の隠匿)の疑いで逮捕した。同庁によると、2019年2~3月に41人のベトナム人が計約4200万円の被害にあったことを裏付けているという。
組織犯罪対策1課によると、趙容疑者は同年3月、実在しない日本語学校「杉並外国語学院」の入学金として、ベトナム人女性(26)から72万円をだまし取った疑いがある。また、同じ名目で30人のベトナム人に計約2900万円を指定の銀行口座に送金させ、銀行員に「学校の事業費」と虚偽の説明をした疑いもある。趙容疑者は黙秘しているという。
被害者らの大半はベトナム在住で、現地の留学相談会社を通じて杉並外国語学院を知り、入学を希望。インターネット電話で趙容疑者とは別の中国人による面接を受け、指定された銀行口座にそれぞれ72万~98万円を振り込んだという。
警視庁はその口座を開設したなどとして、今年10月、日本人の男女3人と中国人の男2人を詐欺などの容疑で逮捕していた。趙容疑者がこうした人物に指示を出しながら、組織的に被害者らをだましたとみて調べている。(角詠之、河崎優子)
「図書室」「第二教室」…記者が見たハリボテの学校
実在しない日本語学校「杉並外国語学院」の入学金名目で、多くのベトナム人が金を詐取された事件。
登記上の住所(東京都杉並区梅里2丁目)には、高層の分譲マンションが立っている。2階部分の外壁に学校の看板が掲げられているのを見た住民もいるが、記者が訪ねた2019年8月には撤去されていた。
2階部分の部屋のドアには「図…
2種類
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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