村山恵二
茨城県神栖市奥野谷の池田珍味食品が販売する「黒鯛焼(くろたいやき)」と緑色の「子宝たい焼(やき)」がひそかな人気だ。遠方からまとめ買いに訪れる客もいるという。子宝たい焼は市の「地域特産品」に認定された。
池田平三郎社長(72)は都内の珍味会社で営業をした経験を生かし、約50年前に珍味問屋を始めた。たい焼きを売り始めたのは約10年前。数年前に「他との差別化」を考え抜いた末、以前イカスミを使った真っ黒な「さきいか」を扱っていたことを思い出し、たい焼きと組み合わせた。
子宝たい焼は市特産のピーマンをすりおろして生地に混ぜているため、ほんのりと緑色をしている。さらにアピールするため、おなか部分にウズラの卵を入れて「子宝」と名付けた。
普通のたい焼きは1個130円だが、黒鯛焼は140円、子宝たい焼は150円。妻の和子さん(69)によると「黒鯛焼は波崎地区や鹿嶋市など遠方からも買いに来る。10個くらいまとめて買う人もいる」。
池田さんは「変わり種はまだ浸透していない。売り上げの7割ほどは普通のたい焼き。でも、いつも他と同じではダメ。また新たなたい焼きを開発したい」と話す。(村山恵二)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル