かつて全国一のブドウの産地だった大阪府だが、いまの収穫量は山梨県の10分の1ほど……。再び大阪産ブドウの復権を目指そうと、個性豊かなワイナリーたちが集い、「大阪ワイン」を地域ブランドとして立ち上げ、売り出し中だ。府もブドウとワインを研究するラボまで立ち上げてバックアップする。夢は大きく世界のトップワインだ。
かつては全国一のブドウ産地
大阪府柏原市にある1914年創業のカタシモワインフード。醸造所の目の前の小高い山は、一面ブドウ園だ。同社社長で「大阪ワイナリー協会」会長の高井利洋さん(70)によると、旬の6~10月ごろには「ブドウの葉がじゅうたんのように生い茂り、ピンクや紫など品種ごとの鮮やかな色が一面に広がります」。
府立環境農林水産総合研究所によると、府内では江戸時代からブドウが栽培されていたという記録もあり、昭和初期には大阪府は全国一の栽培面積を誇ったという。府内の柏原市や羽曳野市を中心に、今でもデラウェアは国内有数の産地となっている。だが宅地化が進み、耕作放棄地も増えていた。
同社などは2012年、ブド…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル