昨年4月、東京都新宿区のマンション地下駐車場で消火設備が作動し、天井板の張り替え工事をしていた作業員4人が亡くなるなどした事故から15日で1年。同じような事故が数カ月前に起きていながら、なぜ防げなかったのか。遺族はいまも喪失感を埋められないままでいる。
あの日の夜。上邨(うえむら)チャリトさん(56)は、母国・フィリピンの名物スープ「シニガン」を作って夫の昌弘さん(当時58)の帰りを待っていた。するとテレビから、二酸化炭素が充満した地下駐車場に作業員が取り残されている、とのニュースが流れた。警察から電話があったのはまさにその時。「上邨さんが事故に巻き込まれました」
昌弘さんとは、2003年に知人の紹介で出会った。第一印象は「すごくいい人で、楽しい人」。2年後に結婚し、16年間一緒に暮らしてきたが、最初の印象は変わらなかった。
家庭で見せる顔とは違い、仕事場では目つきが変わって厳しかった。小さなミスでも命取りになりかねないと考えていたからだ。
名古屋市内で消火設備が誤作…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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